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中国:「上海閥」に幕引き、陳氏の党籍はく奪

 【北京・大谷麻由美】中国共産党第17回党大会を前に開かれた第16期中央委員会第7回総会(7中全会)は12日閉幕し、汚職事件で解任、党籍をはく奪された陳良宇・前上海市党委書記(前政治局委員)の処分を承認した。今後、陳氏への刑事訴追手続きが加速する。江沢民・前総書記を中心とする「上海閥」のホープとされた陳氏の処分は、上海閥が約15年間維持した政界の表舞台から退くことを意味する。

 総会コミュニケによると、7中全会は胡錦涛総書記1期目の過去5年間について「胡錦涛同志を総書記とする党中央が全党を導き、全国民にしっかりと依拠した」とし、胡総書記の提唱する指導理念「科学的発展観」などを「重要な戦略的思想」として提起。「社会の調和を促進し、新たに顕著な成績を残した」と総括した。また、15日開幕の党大会に提出する中央委報告(政治報告)案と、「科学的発展観」を党規約に盛り込む改正案を採択した。

 科学的発展観は「発展=経済成長」一辺倒という風潮から、経済発展と共に格差拡大や幹部の腐敗、環境汚染など中国社会が抱える深刻な課題への対策を重視する。胡総書記の権威を理論面から強化させることになる。

 7中全会では党中央規律検査委員会による「陳良宇問題の審査報告」も審議し、採択した。

 これまでの発表によると、陳氏は上海市黄浦区長だった87年以来、19年間、多額のわいろを受け取り、人事面などでの便宜供与を図ってきた。複数の愛人を持ち、不動産を提供するなど重大な規律違反を犯した。

 政治局委員の刑事訴追は、95年に北京市トップ、陳希同・同市党委書記が解任されて以来。胡総書記は昨年9月、陳良宇氏の解任に踏み切った。その後、江氏直系の黄菊副首相が6月に死去し、上海閥の存在は急速に陰りを見せていた。

 陳氏の裁判は早ければ今月下旬にも始まる見通し。陳氏の元秘書は9月25日、収賄罪で無期懲役の判決を受けた。

毎日新聞 2007年10月12日 19時50分 (最終更新時間 10月12日 22時50分)

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