盛岡放送局

2007年10月12日 20時16分更新

医療ミスで県に400万円賠償命じる


盛岡市の県立中央病院で手術を受けた女性が、検査が不十分だったために必要のない手術を受け後遺症が残ったとして岩手県を訴えていた裁判で、盛岡地方裁判所は医師の過失を認め県におよそ400万円の損害賠償を命じました。

訴えていたのは平成13年に盛岡市の県立中央病院で乳がんの切除手術を受けた遠野市の46歳の女性で、手術の後、女性は肩が上がらないなどの後遺症が残りました。

しかし、手術の後の検査で女性はがんではなかったことが分かり手術前にがんであるかどうかの確定診断を下す検査を行っていれば不要な手術で後遺症に苦しまずに済んだとして岩手県に損害賠償を求めていました。

岩手県側は「手術前の検査や女性が転院してくる前の病院での検査の結果などから、合理的な根拠に基づいて乳がんであると診断しておりそれ以上の検査をする義務はなかった」と反論していました。

12日の判決で盛岡地方裁判所の榎戸道也裁判長は「事前の検査結果からは、がんであるという診断を下すのに足る十分な根拠がない」と指摘しました。

その上で、「医師には確定診断のための検査を行う注意義務があり、その検査を行っていれば不要な手術をする必要もなかった」として、医師の過失を認め岩手県におよそ400万円を支払うよう命じました。

判決について岩手県は「我々の主張が理解されず残念だ。今後の対応については判決の内容を十分に検討して決めたい」と話しています。