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キッコーマン感謝決議案 米議会に提出
このニュースのトピックス:慰安婦問題
【ワシントン=渡辺浩生】今年米国進出50周年を迎えたしょうゆメーカー、キッコーマンによる米経済や食文化への貢献をたたえようという決議案が、米議会に提出されている。どちらかといえば日本たたきが目立った米議会が、個別の日本企業を称賛する決議案を提出するのは異例だ。
「キッコーマン感謝決議案」は9月7日、米下院に共和党のラングレン(カリフォルニア州)、ライアン(ウィスコンシン州)両議員が提出した。同月20日には上院で同じ内容の決議案がウィスコンシン州のコール、ファインゴールド両民主党議員から提出された。
キッコーマンが、両州の生産拠点を通じて米経済の活力向上や、しょうゆ、照り焼きソースなどを通じた食文化に貢献してきたこと、同社と1000人の従業員が続けてきた教育・文化活動を評価し、50年の米国での活動を称賛する内容。
キッコーマンは1957年6月、サンフランシスコに販売会社を設立。日本企業では戦後の米国進出の草分け的存在だ。米国を含めて海外でのしょうゆ類販売量は約15万1000キロリットルに上る。「ソイソース」としてスーパーやレストラン、家庭の食卓など米国人の食生活に定着、最近の日本食ブームで一段と存在感を増している。
米議会では7月末に下院本会議で、慰安婦問題に関する対日非難決議が採択された。貿易摩擦が激化した80年代には対日報復決議が上院で可決された時期もあった。今回の決議は法的拘束力こそないものの、日本の個別の企業を対象に感謝の意を表す決議案提出は極めて珍しい。