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【社会】

「死ねる薬」高額販売 ドリンク剤に睡眠薬

2007年10月12日 夕刊

送検される斉藤一成容疑者=12日午前8時20分、川崎市の高津警察署で

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 携帯電話の自殺サイトを舞台にした嘱託殺人事件で、川崎市の派遣社員西沢さやかさん=当時(21)=を殺害したとして嘱託殺人容疑で逮捕された電気工斉藤一成容疑者(33)が、睡眠導入剤を栄養ドリンクに混ぜた液体を「死ねる薬」と名付け、高額で販売していたことが十二日、神奈川県警の調べで分かった。

 通常の睡眠導入剤は十錠三千−五千円程度で売っていたが、「死ねる薬」は二十万円以上に価格を設定しており、県警は多額の借金を抱えた同容疑者が一度に金を得るために工作したとみている。

 一方、県警は同日午前、斉藤容疑者を送検した。

 これまでの調べで、同容疑者は自ら開設した自殺サイトを通じて、西沢さんら十数人に睡眠導入剤を販売、千葉県内の一人が実際に自殺したことが判明。このうち広島県福山市の希望者には今年五月、「死ねる薬」二本を睡眠導入剤十錠とともに郵送で販売。計二十二万円を振り込ませていた。

 斉藤容疑者は、購入希望者とメールでやりとりしながら販売価格を交渉。睡眠導入剤だけを販売したケースでは、二十錠八千八百円、十六錠六千八百円などで販売していた。

 同容疑者は自殺サイトの開設当時、消費者金融などから約六百万円の借金があったことから、県警は自殺志願者らから高額の金を得るため、「死ねる薬」などの名称で付加価値を付け、売りさばいていたとみている。

 

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