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【社会】

『赤福』30年間製造日偽装 解凍日で表示販売 農水省が行政指導

2007年10月12日 夕刊

 和菓子の老舗「赤福」(本社・三重県伊勢市)が三十年以上にわたって製造年月日を偽って表示、販売していたとして、農林水産省は十二日、日本農林規格(JAS)法違反に当たるとして、同社に対しすべての商品の点検、原因究明、再発防止策の実施などを求める行政指導を行った。同省は同日、赤福の浜田典保社長を東海農政局に呼び、行政指導の文書を手渡した。 

 同省によると、赤福はいったん製造し製造年月日、消費期限を表示した「赤福餅(もち)」のうち、販売店に出荷しなかった商品を冷凍。「まき直し」と称して注文に応じ解凍・再包装して、その日を新たな製造年月日として表示し直して出荷する行為を長期に渡り日常的に行っていた。冷凍の期間は社内規定で最大二週間と定めていたという。

 同社は二〇〇四年九月から今年八月末まで、少なくとも総出荷量の18%に当たる約六百五万箱をこうした方法で出荷。同社は一九七三年からこの出荷方法を行っていたという。

 同省に八月中旬に「赤福が製造年月日を偽装している」という情報が寄せられたため、今年九月と十月に伊勢市の本社、工場を立ち入り検査、偽装を行っていることを確認した。調査に対し同社は「出荷の調整のためにこうした方法を取っていた」と説明したという。

 同社は赤福餅についてホームページなどで「製造したその日限りでの販売。作ったその日の内に味わっていただくことが創業以来の基本理念」とうたっていたが、三十年以上前からこれに反した販売方法を行っていたことになる。

 また、不二家の期限切れ原材料使用が問題となった直後の今年一月二十七日から配送後に余った商品を冷凍する一部手順を中止しており、違法性の認識があったこともうかがえる。

 また、原材料表示については重量順に「砂糖、小豆、もち米」と表示すべきところを、「小豆、もち米、砂糖」と表示していた。

 

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