【胃腸風邪】
■ 胃腸症状を起こすウイルス感染で、正式にはウイルス性腸炎といいますが、通称「胃腸風邪」です。
■ 主な症状は「嘔吐」「下痢」「腹痛」で、発熱を伴うこともあります。
■ 典型例は、いきなりの嘔吐で発症し、嘔吐は6時間くらいで数回。その後から下痢になります。下痢前には腹痛を伴うことも多いですが、激痛であることはありません。熱は半日程度遅れてから出ることが多いです。
■ びっくりする症状ですが、時間とともに症状は改善します。特殊な薬を使わなくても治癒しますが、症状を抑える意味で、吐き気止めや、整腸剤・下痢止めを使うことは多いです。特に症状がひどい時は点滴をすることもあります。
■ 脱水を起こす危険性はあります。脱水になるとオシッコが出なくなり、顔色も悪く、動きも鈍くなり、トロトロと寝てしまいます。こうなったら入院が必要なことが多いです。
■ 嘔吐が1日以上頻回である、熱が2日以上続く、元気がない、などの症状は注意を要するので、検査をすることになります。
■ 胃腸風邪と診断されると、普通は吐き気止めと整腸剤を処方されます。すると、風邪薬が無いやないか!と苦情を受けることが多々ありますが、いわゆる風邪薬とは「咳どめ」「鼻水どめ」のことを指しますので、お腹症状だけなら、こういった風邪薬を飲む必要は全くありません。
■ 便が白色になるのは、ロタウイルスであることが多いです。赤ちゃんによく感染して脱水を起こしやすいのですが、ロタだから全員入院という訳ではありません。