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CO2削減1360万トン上乗せ 13業界目標引き上げ

2007年10月11日06時04分

 京都議定書で定められた二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの削減目標達成に向け、排出量が大きい主要産業がまとめた自主行動計画の追加対策が10日、明らかになった。化学、製紙、石油など13業界が従来の目標を引き上げ、経済産業省の推計では年間で計約1360万トン(CO2換算)分の削減量を上乗せすることになる。日本の削減義務6%の約1%分で、目標達成に政府が必要としている追加削減量2000万〜3400万トン分の4〜7割にあたる。

 11日に開かれる環境、経産両省の合同審議会で報告される。ただ、石油など今回強化する目標をすでに達成している業界も多く、削減目標のさらなる引き上げを求める声が出そうだ。

 13業界の多くは、エネルギー原単位と呼ばれる一定の経済活動量あたりのエネルギー消費量で削減目標を設定。化学と製紙はエネルギー原単位で90年度比20%削減に強化、石油は同13%削減を掲げる。経産省によると、この3業界だけで追加削減量は年間1300万トン近く見込まれる。

 一方、電力と鉄鋼は、新たな目標設定はせず、海外から取得する排出枠を大幅に増やして従来目標の達成を目指す。

 電力は、昨年の計画では計3000万トン程度(08〜10年度)としていた排出枠の取得を計1億2000万トン程度(08〜12年度)に引き上げる。原発の稼働率低迷などを考慮した。ただ、今年7月に新潟県中越沖地震で運転停止となった東京電力柏崎刈羽原発の影響は含んでおらず、停止が長引けば、排出枠の追加取得がさらに必要となりそうだ。

 中国など海外で需要が伸びている鉄鋼も、08〜12年度の排出枠の取得を計2800万トンから計4400万トンに増やす。

 経産省などは、このほか自動車、電機・電子、百貨店などの業界にも目標引き上げを要請しており、さらに削減量を追加できるとみている。しかし、それでも議定書の目標達成には足りず、排出量が大幅に増えている家庭部門やオフィスビルなどの業務部門での対策強化も焦点となる。合同審議会は12月、政府計画の見直しに向けた最終報告をまとめる。

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