ピンポンの中味
TBSの各番組は、試合翌日の今日になって、亀田マターから微妙に距離を置き始めている。
おそらく、世論の圧倒的多数がアンチ亀田であることを思い知らされて、さすがに擁護しきれないと判断したのであろう。
まず、「朝ズバッ」で、みのもんたが軽く揶揄する調子で、亀田一家をたしなめた。
続く「ピンポン」では、局アナがモロな形の亀田批判原稿を読み上げ、福澤がかなり強い調子で亀田の反則をクサしている。
試合の編集映像も、朝の段階と昼の段階のそれでは内容が違う。
朝一番に「朝ズバッ」内で送出されたVTRでは、まだ亀田の攻撃場面を多く採用した亀田寄りの映像が採用されていた。が、昼前にピンポンで紹介されたVTRでは、亀田二号の反則場面中心の構成になっている。
要するに、彼らは、亀田を捨てにかかってきているわけだ。
卑怯だよな。
ここまで、さんざん利用してきて、世論が保たないと見るや、いきなりポイ捨てだからね。
亀田の子供たちの不品行はもちろん擁護できるものではない。
が、それでも、あの程度の悪口は、ティーンエイジャーならよくある話ではある。
オヤジも含めて、行儀の悪い家族というのは、どの町にでも一定数いて、それぞれに周囲との間で摩擦を起こしていたりする。たいして珍しい例ではない。
問題は、だから、亀田家の不行跡そのものにあるわけではない。
子供たちに限っていえば、犠牲者と言って良い側面すらあると思う。
むしろ、特筆大書すべきは、公共の電波を任された許認可事業たる放送業者が、あのような無頼無軌道な一家に肩入れして、それを数年間にわたって商売にし続けてきたということだ。
TBSは、これまで、三兄弟が揃ってアマチュアであった時代から、一貫して、彼らを追い続けてきた。そして、時には事実を歪曲し、伝説を捏造しつつ、亀田家の父親のあの人権無視の教育方針を称揚し、中学にさえ通わせてもらえなかった三男については、地元の学校や教育委員会から注意を促す声が届いていたにもかかわらず、それを無視しながらカメラを回していた。のみならず、自局の番組に出演する芸能人に、亀田擁護を強要(いや、タレントの方からすすんで提灯を持ちに集まってきたのかもしれないけどさ)し、そうやって亀田神話を補強完成させてきた。
たとえば、みのもんたは、昨日の試合の当日まで、「とにかくあの三兄弟はお父さんのことを心から尊敬している。そこのところは立派だ」てなことを言って、亀田父の無思慮な教育方針(っていうか、教育の放棄)を賞賛していた。
高橋ジョージ、テリー伊藤、和田アキコ、西川史子といった、TBSと縁の深い(というよりも、TBSないしは特定の番組と露骨に癒着している)タレントは、異口同音に、亀田家の素晴らしさを訴えている。
あの三兄弟が、父親の命令によく従っているという、みのもんたをはじめとするTBS亀田擁護隊の面々の指摘は、たしかに、事実ではある。ああいう年頃の少年たちが、揃って親に従順であることが、今時珍しいありようだということも、その通りなのだと思う。
とはいえ、暴力団構成員の家庭に、ああいう子供たち(つまり、幼少時から暴力的に制圧され続けてきた結果、絶対に親に逆らうことができなくなっている、萎縮したか哀れな子弟)が多いということもまた事実なわけで、従順さも時と場合によりけりだ。
とすれば、親が子供を商売の道具にして、義務教育の現場にさえ通わせずに済ませてしまったあの一家の姿を賞賛するのは、なによりもまず人として無責任だし、父親の尻馬に乗って、三兄弟を商売のネタにしたプロデューサーの所業に至っては、言語道断と言って差し支えないと思う。
とにかく、TBSの今後に注目しよう。
もし亀田物件から降りるつもりなら、これまで亀田ノリを主導してきた人間に責任を取らせるべきだと思う。
そうしないのなら、このまま一本道で亀田と心中するのが男の仁義だ。
いずれにしても、がんばってくれ。
応援してるぞ。いや、マジで。
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コメント
TBSは確かに、終戦後軍国主義批判を始めた教育現場みたいですね。まあ日本的なのかも知れないけど。
投稿 koz | 金曜日, 10月 12, 2007 16:06