橿原市の妊婦(38)が救急搬送中に死産した問題で、県産婦人科医会(齊藤守重会長)は11日、県が打ち出した開業医の参画による夜間・休日の産婦人科1次救急輪番体制の整備案に協力することを明らかにした。
県産婦人科医会はこの日、橿原市の県医師会館で会議を開き、輪番制に協力することで合意した。会議には荒井正吾知事も出席。輪番を担当した場合、看護師の手当も含めた財政支援などを明言し、理解を求めた。会員の医師からは、自分の医院のかかりつけ妊婦の分娩(ぶんべん)と救急が重なった場合を懸念する意見もあったが、大勢は協力的な意見が占めたという。
会議後、会見した齊藤会長は「性急な結論は出せないが、消極的な声は少なかった」と述べた。実現への課題を探るため、近く会員の医師にアンケートを実施する考えを明かした。
県が5日に開いた調査委員会では県の輪番制整備案に対し、医師の高齢化などを理由に開業医から難色示す声があり、了承を得られなかった。【中村敦茂】
毎日新聞 2007年10月12日