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社会

四島から初の救急搬送 やけど男児根室に ヘリで札医大へ(10/12 14:07)

道の防災消防ヘリ「はまなす2号」で札医大に到着したニキータちゃん=12日午後0時25分

道の防災消防ヘリ「はまなす2号」で札医大に到着したニキータちゃん=12日午後0時25分

 【根室】北方領土の国後島古釜布で大やけどを負った男児が十二日朝、四島ビザなし交流に使われているチャーター船「ロサ・ルゴサ」(四八○トン)で根室港に運ばれ、市立根室病院に緊急搬送された。男児は応急措置を受けた後、根室市防災ヘリポートから道の防災消防ヘリコプター「はまなす2号」で札医大病院に運ばれた。四島のロシア人が緊急搬送されるのは初めて。

 外務省によると、男児は一歳十一カ月のニキータ・ルィジョフちゃんで、十一日夕方、自宅でお湯をかぶって全身にやけどを負った。ビザなし訪問で現地に居合わせた外務省職員に対し、日本側の医療機関で治療を受けたいとの要請があり、同省は「一刻を争うということで、人道的な観点から」(ロシア支援室)受け入れを決めた。

 ニキータちゃんは十一日午後十一時五十分、母ナタリア・クチュクさん(28)、現地の医師とともに古釜布を出て、十二日午前四時十分に根室港に到着。市立根室病院で点滴や軟こうの塗布などの治療を受け、午前九時十五分ごろヘリで札医大病院に向け出発。午後零時二十分ごろ到着し、高度救命救急センターに運び込まれ、治療を受けた。

 市立根室病院によると、搬送時、意識はあったが、顔、手足、背中、肩など皮膚全体の三分の一強にやけどを負う重傷。

 ロサ・ルゴサは、国後島を訪れていた地震専門家一行を乗せて十二日午後に根室に戻る予定だったが、緊急搬送に合わせ予定を早めて帰港した。

 外務省は四島医療支援の枠組みで二○○三年度から本年度までに、心臓疾患などで治療が必要なロシア人患者延べ五十四人を市立根室病院などで受け入れている。

 ロシア国内から道内への緊急搬送は、一九九○年にサハリン州のコンスタンチン・スコロプイシュヌイちゃん(愛称・コースチャ、当時三歳)がやけど治療のため航空機とヘリコプターで札医大に運ばれたのが最初で、○二年にはサハリン州の国境警備隊長夫妻が札医大と市立札幌病院でやけどの治療を受けた例などがある。

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