北海道室蘭市の日鋼記念病院(柳谷晶仁院長代行)が、経営陣の内紛による医師の大量退職から医師不足に陥り、地域の高度救急医療を担う「救命救急センター」を休止する方針を固めたことが12日分かった。必要な医師が確保できた場合には継続したい考えだが、現状のままの場合には月内にも道に休止の意向を伝える。
将来的に医師確保が見込めない場合には、知事にセンターの指定を返上し、廃止することも視野に入れている。厚生労働省によると「センターの休止や指定返上は聞いたことがない」という。
病院によると、11月末までに10人の医師が退職。循環器科の4人や脳神経外科の医師が含まれており、センターとしての機能が維持できなくなるとしている。
救命救急センターは急性中毒や脳卒中など重症の救急患者を治療できる高度な機能を持った医療施設で、全国に202カ所ある。