◇来月にも事態解消へ
インプラント(人工歯根)治療などで保険を不正請求したとして、1日から藤枝市立総合病院の保険医療機関指定が取り消されている問題で、静岡社会保険事務局は11日までに、病院が出した再指定申請を正式に受理した。学識者などで構成する静岡地方社会保険医療協議会に諮り、早ければ11月1日にも再指定する見通し。地域の中核病院で保険がきかないという異常事態は、1カ月で解消することになりそうだ。
同病院は2日に再指定を申請したが、書類に不備があったため、9日に書類を追加提出し、2日付で受理された。
同事務局は受理に先立ち、同病院が打ち出した保険診療マニュアルの配布や院内の保険診療委員会のチェック機能強化、職員教育の徹底などの改善策を審査している。検討が終わり次第、同協議会の鴇田勝彦会長に再指定について諮問する方針。指定取り消しを認めた8月28日の同協議会では、請求の悪質性を非難するような意見はなかったため、再指定が認められる可能性は高い。
指定取り消し後、同病院の1日あたりの外来患者数は10日現在で平均446人(うち救急62人)と以前の半分以下。入院患者も取り消し以前の6割弱の同274人に減らしている。【稲生陽】
毎日新聞 2007年10月12日