NTTドコモ東海と理化学研究所、名古屋大学は、内視鏡手術中の医師の指示に従って鉗子(かんし)を医師に手渡すロボットを試作した。実用化で、医療現場での看護師不足解消や手術の効率化を目指す。【安達一正】
鉗子は棒状の先端がハサミのような形になっており、組織をはさむ時などに使う。医師は内視鏡が映し出す体内の映像を見ながら、数十本の鉗子を体内に差し込んで手術を進める。
試作されたロボットは、マイクを付けた医師から必要な鉗子の種類を告げられると、アームで陳列コーナーからその鉗子を取り出して医師に渡す。使用後の鉗子が返却台に置かれると、元の場所に戻す。
携帯電話のテレビ電話機能などを使って手術場所以外から指示することもでき、手術中の若手医師を補佐するため、遠隔地のベテラン医師が鉗子の選択に加わることもできるという。
毎日新聞 2007年10月12日 中部朝刊