◇研修中も義務年限に
深刻な医師不足に対応するため、県は11日開かれた県議会常任委員会で、医学部の大学生を対象にした現在の医師修学資金貸与制度を抜本的に改正し、08年度から返還免除条件の大幅な緩和を検討していることを明らかにした。
県の人口10万人当たりの医師数は、全国都道府県で36番目の176・8人。全国平均(201人)を大きく下回っている。県は04年度に独自の修学資金制度を設け、年間10人分程度の予算を確保しているが、貸与を受けた大学生はこれまでの3年間で13人にとどまっている。抜本的な改正で、早期の医師不足解消を図ることにした。
現行制度では、貸与を受けた医学部卒業生に対し、臨床研修終了後、貸与を受けた1・5倍の期間を県内の医療機関で勤務し、うち半分以上の期間はへき地の医療機関で勤めることを返還免除条件にしている。
新制度では、2年間の臨床研修を県内で行うよう義務付けるが、同研修期間を義務年限にカウント。▽内科・外科医は7年(うちへき地勤務4年)▽小児科・産婦人科医は6年(同2年)▽救急病院勤務医は10年--の県内勤務をすると、返還が免除される。
貸与額は現行と同じ入学年度151万7800円、次年度以降123万5800円とするが、貸与人数の定員は55人に増やす。【田中功一】
〔三重版〕
毎日新聞 2007年10月12日