2007年10月12日 更新

松井秀、来季のため決断…右ひざ必要なら「手術受ける」

右ひざの手術を決断した松井秀。すべては来季にかける意気込みからだ

右ひざの手術を決断した松井秀。すべては来季にかける意気込みからだ

来季は、右ひざ痛から完全復活。こんなシーンは絶対見せないぞ

来季は、右ひざ痛から完全復活。こんなシーンは絶対見せないぞ

 【ニューヨーク10日(日本時間11日)】ヤンキースの松井秀喜外野手(33)が、痛めている右ひざの手術に前向きな姿勢を見せた。プレーオフ敗退翌日の9日(同10日)以降、初めて口を開いたゴジラは、近日中に受ける予定の精密検査の結果、手術が必要となった場合は受け入れる決意を固めた。来年の巻き返しに向けて心と体のケアに全神経を集中する。

 地区シリーズで敗退してから2日。ニューヨークではジョー・トーリ監督(67)の去就問題を含め、ストーブリーグの嵐が吹き荒れている。そんな中、松井秀が静かに決意を固めていた。

 「手術に関してはもう一度、精密検査を受けてみないとわかりません。そこで手術が一番いい、となったら仕方がない。良くなるならば受けることになるでしょう」

 ここ2日間はヤンキースタジアムにも姿を見せず、気分転換に外出することもなく自宅で静養していた。「体を休めているのですが、それでも右ひざは多少、腫れています」。ゴジラは、人知れず痛めた右ひざと向かい合っていた。

 ついに手術を受けることを決断した。8日(日本時間9日)のイ軍戦後に会見して以来、この日になって初めて口を開いたが、これまでの「考えます」から、「受けることになるでしょう」と変化。休んでも思うようには引かない腫れ、痛みが“決断”へと導いた。

 9月30日(同10月1日)にヤンキースタジアムで簡単な検査を受けた際には「右大たい骨の内側に小さな傷があるものの軽症」と診断された。今後は、万全を期するために近日中にあらためて市内の病院でMRI(磁気共鳴画像装置)などの精密な検査を行う予定だ。

 その結果、チームドクターらが「手術が必要」と最終判断した場合、メスを入れるのに慎重だったゴジラも首を縦に振ることになる。来季に向けてリハビリ期間などを考慮した場合、少しでも早いほうがいい、ということになれば即日にも手術を受ける可能性もある。

 昨年は左手首の骨折、手術に泣かされた。今回の手術に関しては、ヤ軍が主導権を握るが、痛みが軽減、もしくはなくなるというのなら、手術も辞さない。2年続けて体にメスを入れるのをいとわずに、ゴジラが08年の復活に賭ける。


■ゴジラの故障アラカルト

 ★左ひざ棚障害(98年2月2日) 巨人・宮崎キャンプで左ひざ痛を訴え、練習を別メニューに変更。精密検査で「左ひざ棚障害」と診断された。結局シーズンを通して痛みに悩まされた
 ★右足首ねんざ(現地時間05年6月12日) カージナルス戦(ブッシュ・スタジアム)で、右翼を守り、七回に打球を追った際に芝生に足を取られ、右足首をねんざして途中交代。連続試合出場が止まるピンチを迎えたが、14日のパイレーツ戦は『5番・DH』で先発出場
 ★左手首骨折(同06年5月11日) レッドソックス戦(ヤンキースタジアム)の一回、浅いライナーにスライディングキャッチを試みたが、グラブの先が芝生に引っかかり、左手首が反り返った。そのまま病院に直行し検査の結果、左手首骨折が判明。緊急入院し、翌12日に手術を受けた。日米連続試合出場も『1768』で途切れた
 ★左太もも裏肉離れ (同07年4月7日) オリオールズ戦(ヤンキースタジアム)で二回に捕ゴロを放ち、その走塁の際に左太もも裏を痛め、四回に途中交代。翌8日の精密検査で左太もも裏の肉離れと診断され、15日間の故障者リスト入りを余儀なくされた

★ロッカー整理は精密検査後に

 ヤンキースタジアムには連日、選手らがロッカーの整理に訪れている。今オフにFAとなるマリアノ・リベラ投手(37)ら主力の姿もあったが、松井秀は「急いでロッカーを片づける必要もないですし、しばらくはヤンキースタジアムに行く予定はありません」。公の場に現れるのは、近日中にも予定される右ひざ精密検査の日となりそうだ。

★リベラがトーリ監督の残留訴える

 守護神のマリアノ・リベラ投手(37)が、ジョー・トーリ監督(67)の残留を訴えた。この日はヤンキースタジアムを訪れ、ロッカーの片づけ。「なぜ退団させようとするのか分からない。いい気持ちはしない。自分の希望を言えるなら、来季も戻ってきてほしい」。今オフFAになるクローザーの言葉だけに球団幹部も無視できない?

(ニューヨーク)