仙台地裁 少年法適用ミス 不定期刑のはずが懲役2年6月
時速100キロ以上で乗用車を運転し、車いすの女性をはねて死亡させたとして、業務上過失致死罪などに問われた宮城県丸森町の少年(19)の控訴審判決公判で、仙台高裁は11日、「一審判決は少年法の適用を誤った」との判断を下し、懲役2年6月とした仙台地裁判決を破棄、懲役1年6月以上2年6月以下の不定期刑を言い渡した。
少年法では、執行猶予を付ける場合や、死刑・無期懲役に相当する犯罪の場合を除き、少年への有期懲役刑は長期と短期を定めた不定期刑を言い渡すよう規定している。
だが、地裁は6月、懲役2年6月以上3年6月以下とした検察側の求刑に対し、懲役2年6月の定期刑を言い渡した。検察側は法令適用の誤りを、少年側は量刑不当を理由にそれぞれ控訴した。
高裁の木村烈裁判長は「修理を終えたマイカーの調子を確かめるため猛スピードで走行し、女性をはねて死なせた犯行は危険で悪質」と述べた。
判決によると、少年は2006年9月10日午後5時ごろ、角田市内で時速40キロの制限速度を大幅に上回る時速100―110キロで乗用車を運転。車いすに乗って道路を渡ろうとした女性=当時(81)=をはね、死亡させた。この事故で免許停止となった後の同年11月15日には、仙台市青葉区内で車を無免許運転した。