【広州=阿部将樹】中国の人件費上昇が一段と加速している。深セン市は10月から経済特区内の1カ月の最低賃金を850元(約1万3200円)と4.9%引き上げた。3年連続の大幅な賃金上昇だ。上海市も5年前に比べ5割以上増加している。最低賃金の上昇は全体の賃金水準引き上げにつながり、割安な労働力を目的に中国に進出した外資系企業が事業戦略の見直しを迫られる可能性もありそうだ。
最低賃金は省や政府直轄市など地方政府が地域経済の発展状況に応じて決定する仕組み。深セン市は経済特区外でも7.1%増の750元に引き上げた。特区内の850元は、9月に12%引き上げた上海市(840元)を上回り、浙江省などと並ぶ国内最高額に達した。適用期間は2008年6月30日まで。(07:00)