株価操作の利益、暴力団資金源に
指名手配されていた大物金融ブローカーの大場武生容疑者(48)が仕掛けたとされる、大盛工業株を舞台にした風説の流布事件は、証券市場が暴力団の資金源となっていることを象徴する事件でした。 ここ数年、業績不振に陥った上場企業に、暴力団とつながりがある大場容疑者のような金融ブローカーが近づき、当面の運転資金を用立てるのと引き換えに、大量の新株を手にするケースが増えています。 こうしたケースの多くでは、その後、上場会社の資金が流出したり、実現の可能性があやふやな事業計画を発表して株価が不正に吊り上げられるなど、株式市場が混乱する結果となっています。 5年前の大場容疑者の犯行はその先駆けとなるもので、暴力団関係者らから集めた資金で大盛工業株を入手。その上で、ウソの事業計画の発表で株価を自在に吊り上げて生み出した巨額の利益は、暴力団周辺者に還流していたとみられています。 特捜部は今後、証券市場で横行するこうした株価操作について、本格的な解明を進めることになります。(11日15:53)
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