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ドン・キホーテ、長崎屋買収を検討

2007年10月11日20時50分

 ディスカウントストア大手のドン・キホーテは11日、スーパー中堅の長崎屋を買収する方針を明らかにした。若者に人気の高いドンキは、会社更生法を経て再建した老舗(しにせ)の総合スーパーの買収をてこに、幅広い業態を手がける総合小売りグループをめざす考え。今後、客層や出店地域の拡大を見込める小売業の買収も検討していくもようだ。

 ドンキは、長崎屋の筆頭株主であるプリント基板メーカーのキョウデンと同社の経営陣から、長崎屋株式の計86%(議決権ベース)を100億円超で買い取り、連結子会社にする方針。買収金額や店舗運営での条件交渉を現在、進めている。

 買収が実現すれば、ドンキは長崎屋に役員を派遣して、長崎屋の不採算店を「ドン・キホーテ」に業態転換したり、効率の悪いテナントを入れ替えたりして、収益改善を進める。

 衣料品に強い長崎屋と、文具、食品、カー用品などを幅広く手がけるドンキが衣料品や雑貨で共同仕入れを実現すれば、調達コストの削減を見込めるという。また、若者に人気があり、関東地方を中心に出店するドンキと、中高年層に強く北海道や東北、中部地区など地方都市に店が多い長崎屋は「補完関係が見込めるぴったりの組み合わせ」(ドンキ幹部)として、客層や出店地域の拡大に期待を寄せている。

 ドンキは本業のディスカウント店が、専門店との競争激化に直面。業態を広げようと06年2月、「オリジン弁当」のブランドで弁当・総菜店を展開するオリジン東秀に敵対的な株式公開買い付け(TOB)を仕掛けたが、イオンが阻止して失敗。07年1月には、関東地方に店を持つホームセンターの「ドイト」を連結子会社化した。

 一方、長崎屋はキョウデン傘下で経営再建を進め、店舗を半分近くまで閉鎖するなどして業績を回復させて、当初計画より12年前倒しで更生手続きを終結した。しかし、「将来的な拡大までは力がない」として他社への売却を検討し、海外の投資ファンドなどと交渉を進めていた。

 業界関係者は「ドンキは若者に支持されているが、少子高齢化の中で客層の拡大を考え、買収に踏み出したのではないか。しかし、相乗効果が出るかは不透明だ」とみている。

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