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【社会】

東村山市7370万円買収予算提出へ 『トトロの森』来月にも公有地化

2007年10月9日 13時18分

 アニメ映画監督の宮崎駿さんらが保全を訴えている東京都東村山市の雑木林について、同市は九日、地権者との合意を受け、買収費用約七千三百七十万円を含む補正予算案を市議会に提出する、と発表した。このうち二千五百万円は、宮崎さんが会長を務める「淵(ふち)の森保全連絡協議会」に寄せられた寄付金を充てる。議決後、来月中にも林の公有地化が実現する見通し。

 雑木林は、宮崎さんが映画「となりのトトロ」の構想を練った場所の一つとされる「淵の森」に隣接する約千九百平方メートルの民有地で、宅地開発が予定されていた。

 同協議会は保全を求めて募金活動を展開。同市も六月に公有地化の方針を示したが、地主との間で先に売買契約を結んでいた開発業者側は、市の鑑定額を大きく上回る約一億三千万円を売却額として示し、市の買い取り交渉は難航していた。

 しかし、同市は保全運動が盛り上がっていることや税金の控除が受けられることなどを説明し、地権者や業者から最終的に同意を取り付けた。

 この日記者会見した渡部尚市長は「公有地として貴重な緑を残せることになり、感謝を申し上げたい」と述べた。

 同協議会は「寄付金を出してくれた全国千五百人以上の方の熱意が伝わった。日本中の緑を保全する運動が元気づけられれば」と話している。

(東京新聞)

 

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