セブン&アイ・ホールディングスの発行する電子マネー「nanaco(ナナコ)」の9月の利用件数が3200万件を記録し、「Edy(エディ)」(ビットワレット社)の2100万件を上回っていることがわかった。ナナコは今年4月から運用が始まったばかり。電子マネーは現金を持たずにICカードや携帯電話で決済ができることから普及が進んでおり、Edy側も「ナナコとはライバルではない」として、業界全体の拡大につながることを期待している。
セブン&アイHDによると、今年4月にスタートしたナナコの発行枚数は現在500万枚。導入はセブンイレブン中心で、利用できる範囲も狭い。同社によると、利用者数はセブンイレブンの利用客全体の1割強。携帯電話での利用もできるが、ほとんどがカードでの利用という。発行枚数では、セブンイレブン以外のほとんどのコンビニエンスストアが導入しているエディの3340万枚(9月末現在)に大きく水をあけられているが、利用件数では6月以降、エディを上回ったという。
ナナコの利用拡大について、同社は「地域の客と店舗とのつながりがある中で、各店舗で利用を勧めている。セブンイレブンでチャージ、使用、ポイント還元のすべてができる。利用者にとって分かりやすい」と説明する。また、今月1日からJCB加盟店約1000店での利用がスタートしたほか、イトーヨーカドーでの導入も検討中といい、導入店舗拡大でさらに利用数増を図りたい考えだ。
「カード市場マーケティング要覧2007年版」を発行した富士キメラ総研は、100円で1ポイント(1円相当)という還元率の高さがナナコの利用拡大につながっているのではないかと分析する。
一方のビットワレットは、1回の利用金額は低いが同じ店舗を繰り返し使う利用者が多いことが、コンビニエンスストアやスーパーでの利用が進みやすい要因と見る。同社は「電子マネーを社会のインフラにすることが目標で、エディとナナコはライバルではない」と話し、「“流通の雄”が電子マネーを導入したことは、普及に大きな効果がある」と相乗効果を期待する。
このほか、同じく4月に始まったイオンの「WAON(ワオン)」は今月15日から、関東中心だった利用地域を中部、近畿地方に拡大し、オートチャージ機能を付けて利便性を向上させる。利用可能店舗は1万店を超える予定で、ナナコに迫る勢いだ。発行枚数は140万枚。来年4月末までの目標に掲げる800万枚達成はまだ見えないが、同社によると、「イオンクレジットカード利用者が切り替え時にワオン機能付きを選んでいることで、発行枚数が増えている」という。
電子マネーは01年から04年3月まで、プリペイド型のエディだけだった。同年にJR東日本の「Suica(スイカ)」のサービスが始まったが、当初は乗車に使えるだけで、商品購入にも使えるようになったのは04年3月からだ。富士キメラ総研では、金融機関などで磁気カードからICカードへの切り替えが進んでいることから、ICカードは多機能化が進み、流通と鉄道など異業種の提携が加速すると予測している。【岡礼子】
2007年10月11日
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