◇地裁沼津支部判決
富士市立中央病院で膠原(こうげん)病の治療を受け、歩行困難になったのはステロイド剤の過剰投与が原因だとして、同市在住の男性(50)が富士市に約1億円の支払いを求めた損害賠償請求訴訟で、地裁沼津支部の千徳輝夫裁判長は10日、請求を棄却した。
判決によると、男性は98年12月に同病院に入院し、最大で1日60ミリグラムのステロイド剤を投与された。いったん退院したが、99年6月に転倒して起き上がれなくなり、同病院で多発性骨頭壊死(えし)と診断され、股(こ)関節などの手術を受けた。男性には全身に関節痛があり、「投与は当時の医療水準から妥当な処方と認められる」と判断した。
担当医による副作用の説明が不十分だったとの原告の主張に対しては、「骨がもろくなるなどの言い方で悪影響を説明していた」と退けた。【安味伸一】
毎日新聞 2007年10月11日