神戸市立医療センター中央市民病院(神戸市中央区)の移転・整備事業で、建設と運営を担う事業者に応募した業者が最終的に1グループしかなく、事実上の無競争状態で落札していたことが分かった。落札額は予定価格の99・998%にあたる1023億7815万円。無競争で上限すれすれの高額で落札したことに、市議会からも疑問の声が上がっている。
市によると、現在の中央市民病院が老朽化したため、1・3キロ南への移転を決め、民間資金を活用する「PFI方式」を導入。事業者は2010年度内に施設を整備し、翌春に開院後、30年間運営する。施設や事業内容と入札金額を総合判断して業者を決める総合評価一般競争入札方式で、昨年11月に公募した。
今年1月の資格審査書類の受け付けには2グループが参加を表明。しかし、5月の最終的な書類の受け付け前日になり、1グループが突然辞退。結局、「神戸製鋼・伊藤忠商事グループ」が単独で入札した。
10日の市議会決算特別委では一部委員が落札率の高さなどを指摘。これに対し市側は「手続き、落札率ともに問題ない」と答弁した。【内田幸一】
毎日新聞 2007年10月11日 大阪朝刊