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インターポール、ネットで性犯罪者の情報提供を呼び掛け

指名手配中の性的児童虐待者の画像を掲載したところ、世界中から何百件もの情報が寄せられた。（ロイター）

　国際刑事警察機構（Interpol）は10月8日、児童に対して連続的に性的虐待を行っているとして指名手配されている人物の画像をインターネットに掲載し、情報提供を呼び掛けた結果、この男を特定できそうな見通しとなったことを明らかにした。こうした情報提供の呼び掛けは初めての試みだったが、結果的には、世界中から何百件もの情報が寄せられたという。

　Interpolの人身売買犯罪担当アシスタントディレクターのクリスティン・クビーニュ氏はBBC Worldの取材に応じ、次のように語っている。「この人物が誰かをめぐり、われわれは既に世界中から数百件の情報を受け取っている」

　「この件については、新聞報道も含め、メディアで広く取り上げてもらったおかげで、この男を探し出せる可能性は非常に高くなっている」と同氏。

　この指名手配犯が12歳程度の男児らに性的虐待を行う様子が、警察がインターネットで発見した約200枚の写真に写っている。捜査官は、これらの写真がベトナムかカンボジアで2002年か2003年に撮影されたものと見ている。

　写真にはデジタル加工が施され、男の顔は渦巻き模様で判別できないようになっているが、これらの写真を発見したドイツ連邦警察局（BKA）のコンピュータ専門家が犯罪科学を駆使し、顔を認識できる画像の再現に成功した。

加工されていた画像（左）と再現された画像（右）

　そして8日に、元の状態に戻された画像をInterpolのWebサイトに掲載したところ、「圧倒的な」反響があったという。

　クビーニュ氏によると、まだ捜査の成功を語るには時期尚早だが、Interpolは問題解決のための新たしい糸口をすべて追跡すべく、関連各国との間で調整を図る意向という。

　今回Interpolが初めてオンラインで情報提供を呼び掛けるに至ったのは、186カ国に及ぶネットワークを駆使して徹底的に捜査を進めていたにもかかわらず、この男の身元を割り出せずにいたからという。

　「この男が子供を性的に虐待している画像は何年も前からインターネットに出回っていた」とInterpolのロナルド・ノーブル事務総長は語っている。

　「われわれはこの男を特定し、裁きを受けさせるべく、ありとあらゆる手段を尽くした。だがわれわれは今や、一般の人たちの助けを借りないことには、この性犯罪者に子供たちへの性的虐待をいつまでも続けさせることになりかねないと確信している。被害を受けているのは、6歳から10代前半の幼い子供たちだ」と同氏。

　Interpolは児童に対する性的虐待の画像を集めた大規模なデータベースを運営し、高度なソフトウェアを使って、例えば、壁紙や織物など、どこか分からない屋内の撮影場所の詳細な特徴まで分析し、それらの画像間の関連性を追跡している。

　このデータベースには現在36カ国のInterpol加盟国から提出された52万枚以上の画像が保存されており、警察はこれまで31カ国の600人近くに及ぶ犠牲者の救済にこのデータベースを役立てている。

[ロンドン　8日　ロイター]