東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 速報ニュース一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

真実、闇に葬られたまま 柳原さん「うれしくない」

2007年10月10日 20時22分

 「納得のいかない判決だった」。富山の冤罪事件で柳原浩さん(40)は10日、富山地裁高岡支部の再審判決公判閉廷後、富山市内で記者会見し「無罪判決をもらっても、真実が闇に葬られたままではうれしくない」と述べ、冤罪を生んだ捜査の解明が法廷で見送られたことに無念さをにじませた。

 柳原さんは「なぜ(捜査員が)僕のところに最初に来たのか、全然明らかになっていない」と話し「もう少しまじめに捜査していたら、新たな(女性暴行の)被害者も出なかった」と富山県警と富山地検を批判した。

 藤田敏裁判長が判決言い渡し後に「今後の人生が充実したものになるように願っている」と述べたことに対し、柳原さんは「まるでひとごとで、むかついた」と怒った。

 「いつ失った時間を取り戻せるのか、僕自身も分からない。いいかげんな裁判をやらなければ、こういうことにはならなかった」と話した。

(共同)
 

この記事を印刷する