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【静岡】保険医療機関指定取り消しから10日 藤枝市立総合病院周辺薬局は閑古鳥2007年10月11日
藤枝市立総合病院の保険医療機関指定の取り消しから10日がたった。外来患者は取り消し前の約4割に減り、周辺薬局には閑古鳥が鳴く。一方、患者の増加が心配された近隣病院では混乱は出ていない。 (藤川大樹) 「ご予約の方ですか」 同病院では指定が取り消された1日以降、職員が正面玄関脇の通用口に立ち、訪れた患者に予約の有無を聞いて案内する姿が見られる。正面玄関の自動ドアは閉められたままだ。 1日平均約1150人あった外来患者は、4割前後に減少。9日の外来患者は救急の62人を含めて433人で、通常なら450人ほどの入院患者も272人だった。 近隣の焼津、島田、牧之原の3市の公立病院では患者が増加傾向にある。島田市民病院では藤枝、焼津、岡部、大井川の2市2町からの初診患者は毎月100人ほどだったが、1日からの4日間で約60人に上った。 焼津市立総合病院では8月から9月にかけて、歯科口腔(こうくう)外科の外来患者が一時、3割ほど増加したが、10月に入ってからは落ち着いた。「患者数は多少、増えているという印象はある」と話すが、特に問題は起きていないという。 深刻な影響を受けているのが、病院近くにある門前薬局だ。 藤枝市立総合病院は昨年9月、院外処方せんを出し、市中の薬局で薬を作ってもらう「医薬分業」に移行した。現在、病院周辺で5店の調剤薬局が営業している。 保険医療機関の指定取り消しで、同病院の処方せんも保険適用がされなくなった。病院は取り消し期間中、院内で薬を処方し、療養費払いの手続きにより患者の支払い負担を軽減する方法を取っている。 病院の隣に立つ「アイン薬局」では今月1日以降、客が通常の1割程度まで落ち込み、14人いた薬剤師を2人に減らした。「経営に痛手だが1カ月は我慢する」と、11月1日の保険医療機関の再指定に期待していた。
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