2007.05.28 Monday
芸術的なひと時
芸術的なひと時
私は、音楽が好きで、一日中音がないと、生活できない体質になっている。 朝起きたときから、店の仕込みの最中、車の中、そして寝るとき、と。 気に入った曲など毎日五年以上聞いている。 一流のミュージシャンの楽曲は聴けば聞くほど、いろんなものが見えてくる。 これが音楽という芸術なのであろう。 芸術ってなんだろう。ってよく考える事があった。 芸術とは、人の心を動かすモノだと思う。 絵とか彫刻とかは評価されると、その価値は何億とかになる。 音楽はひとつの媒体に記録することで、絵画同様、変わらぬ モノを永遠に伝え続けることが出来る。 しかも、リアルなプレイはライブとしてその場のみの感動も 与える事ができる。 私は、料理も芸術だと思ってきたが、料理ってレシピに残しても、 本物は伝わらないし、その場の作品でさえ、食べてしまえばもう残らない。 まして、何億円なんて評価はまずない。 寂しいもんだな。 て、思っていたが、逆に料理だけが、その時、その場でしか 感じられないものである。 媒体に記録できないからこそ、その料理人のその時の作品は その時に感じられなければ、もう二度と同じものには出会えないし もう二度とその人の作品で心動かす事はないのである。 芸術ってのは、その人それぞれの感性や感覚と、そこから始まる 経験と知識で、そのモノが理解していくわけであって、全てに対して 絶対というモノではない。 ピカソの絵だって、知識や感性が合わなければ落書きといっしょ。 音楽だって、雑音だし、料理だって、腹を満たすための食物にすぎない。 でも、その価値に出会ったときは、理屈ではなく、心が動くものであろう。 よく考えると料理って凄いモノをもっている。 本物の料理がもたらす力は、食べてる人だけではなく、 一緒に食事している相手や、周りの人にまで幸せにする気がする。 それより、心動かす料理は、ひとの心に楽しい記憶として一生刻まれると思う。 まぁ、芸術云々と大それたことは、まぁ良しとして 美味しいものがある食事のひと時って、とってもすばらしい。 最近日も伸びたし、少しずつ温かくなってきた。 そんな日は海の見えるところで、まだ明るい夕暮れに ビルエヴァンスのゆっくり流れるジャズピアノでも聴きながら キリット冷えたシャンパンで始めるのもすこぶるいいもんだ。 ちょうど西日が海をキラキラと照らして、シャンパン越しに 海を見ると、シャンパンの泡と海の輝きがとても儚く綺麗だ。 温かい磯の香りのする逸品を食べながら上物の 白ワインで穏やかに会話が始まる。 白ワインのしっかりした酸がその時に相槌をうつように 上質な時間が流れる。 もう、外は暗くなり、静けさのなかではハーブをたっぷり 使って焼き上げた子羊のパイ包み焼きに濃厚な香り高いソース。 もちろんボルドーの極上の赤ワインを飲みながら、 もう、そのときは海にいることさえ忘れてしまうような 楽しく綺麗な時間が流れている。 外にでれば、月明かりに照らされた海と波の音。 そして潮風が肉料理の最後のスパイス。 どう?フランス料理っていいもんでしょ。 |