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高血圧、就寝中の上昇にご用心 薬効果切れの可能性

2007年10月07日

 薬で血圧を下げている高血圧患者では、昼間の血圧にかかわらず、就寝中の血圧が高いほど、脳卒中や心筋梗塞(こうそく)などの脳心血管疾患を起こしやすいことがわかった。今井潤・東北大教授(臨床薬学)らが6日、大規模な国際共同研究の結果を英医学誌ランセットに報告した。朝飲んだ降圧薬の効果が切れ、睡眠中の血圧が十分に下がっていない可能性がある。

 今井さんらは欧州などとの共同研究で、デンマーク、ベルギー、スウェーデン、ウルグアイ、中国、岩手県花巻市の一般住民7458人(調査開始時の平均年齢57歳)を約10年追跡調査した。

 開始時に血圧を24時間測り、その後の発症率を調べた。開始時に降圧薬を飲んでいなかった5821人(うち約3割は高血圧患者とみられる)では、9%の人が脳心血管疾患を起こした。昼、夜ともに血圧が高い人ほど発症率が高かった。

 これに対し、降圧薬を飲んでいた1637人では、約25%の人に発症があった。昼の血圧と脳心血管疾患の発症率には関係が見られなかったが、就寝中の上(収縮期)の血圧が90で約15%、110で約20%、130では約25%などと高いほど発症率が大きくなった。共同研究グループは、就寝中の上の血圧は120以上が高血圧としている。

 東北大の大久保孝義准教授は「就寝中の血圧を測って降圧薬の効果を判定し、十分でない場合は寝る前に服薬するなどの対策が必要ではないか」としている。

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