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早大教授、大学院入試問題作成者漏らす 文科省が注意

2007年10月10日13時06分

 早稲田大(東京都新宿区)商学学術院の坂野友昭教授(52)が、早大大学院博士課程の入試問題の作成者を、事前に同大学院修士課程の自分のゼミの学生数人に漏らしていたことがわかった。大学院入試では、作成者が事前に分かれば、その教員の専門分野などから、入試問題の内容を類推することができる。同大から報告を受けた文部科学省は、口頭で注意した。内部告発を受けて同大は4月に調査委員会を設けて事情を聴いていたが、10日、「作成者を漏らしたほか、大学の調査を妨害しようとした」として、坂野教授を停職30日の懲戒処分とした。

 坂野教授がゼミ生に教えたのは、05年度の大学院商学研究科博士課程の入試問題を作った教員の名前。坂野教授自身も作成したと明かしていた。

 早大は9月下旬、文科省に「問題そのものは漏れておらず、作成者を教えられた学生の点数も高くなかったので、入試のやり直しはしない」と報告。これに対して文科省は「公正中立が大原則の入試で、一部の学生だけに作成者名を教えるのは不適切だ。今後情報管理を徹底し再発を防止してほしい」と、口頭で注意した。

 坂野教授は消費者金融の専門家で、早大消費者金融サービス研究所の所長を務めている。

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