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酔っぱらい搬送“お断り”…神戸の2次救急病院協◆暴言、治療費踏み倒し…もう限界 入院が必要な重症患者を受け入れる神戸市内の「第2次救急病院協議会」(53病院)が、治療不要な酔っぱらいが運ばれてきた場合、救急隊に病院外への搬送やトラブル防止のための警察官要請などを求める申し入れ書を、市消防局などに出していたことがわかった。大半の病院が医療費の踏み倒しなどの被害を受け、医師や看護師不足も深刻化しているためで、同会は「返答次第では受け入れを拒否する」と強硬な姿勢。救急医療を巡り、病院の受け入れ拒否が社会問題となる中で、異例ともいえる申し入れは議論を呼びそうだ。 神戸市の救急医療体制は、初期(軽症〜中等症患者)、2次(入院や手術が必要な中等症〜重症患者)、3次(高度な医療が必要な重症〜重篤患者)の3段階で分類されている。 同会によると、同市の初期救急は、平日の午後11時40分以降、休日も午後4時40分から翌朝までは受け入れ先がなく、2001年の2次救急患者数は、約8万人で全国トップだった。 今年8月では休日や夜間に診察した1万2689人のうち、入院不要な軽症患者は約85%の1万754人。酔っぱらいも含まれ、多くは入院や手術の必要がなく、搬送先の病院で暴言を吐いたり、居座ったり。医師への暴行、タクシー代の要求など悪質なケースもある。 被害は47病院で年2回以上あり、うち17病院では毎月起きている。過酷な勤務に加え、被害の続発で医師や看護師らが辞める病院もあり、半数近くが当直医を確保できない状況という。 このため、同会は9月、市消防局長と市保健福祉局長に申し入れ書を提出。病院側が治療不要と判断した酔っぱらいを救急隊員が病院外に運ぶよう要求。さらに、救急隊員が診察が終わるまで待機することや、警察官派遣を要請することなども求めている。 同会の吉田耕造会長は「このまま医師が減り続ければ救急医療が崩壊する。賛否両論あるだろうが、本当に危険な患者の命を守ることが大事」と話している。 今月中の回答を求められた市側は「受け入れを拒否されると困る。搬送後の手伝いや警察の出動要請などを前向きに検討し、解決策を探りたい」としている。 (2007年10月10日 読売新聞)
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