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最後の執行から10年 韓国で死刑廃止国の「宣言式」

2007年10月10日19時22分

 今年末で最後の死刑執行から10年となる韓国で10日、市民団体が主催する「死刑廃止国家宣言式」があった。自らの在任中、死刑を一度も執行しなかった金大中(キム・デジュン)前大統領が基調演説で「私も80年に死刑を宣告された。我々の人権運動史上、今日は最も意味のある日だ。人権先進国の仲間入りを果たした」と語った。

 国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルは、過去10年間、死刑執行をしなかった国を「事実上の死刑廃止国家」と分類している。韓国法務省などによれば、金泳三(キム・ヨンサム)政権時代の97年12月30日に23人が死刑に処されたのが最後。

 宣言式には韓国の人権運動家や宗教家ら約300人が出席した。日本から参加した安田好弘弁護士は記者会見で「日本は死刑大国になろうとしている。韓国での死刑廃止実現は大きな希望だ」と語った。

 一方、韓国法務省の当局者は「人権を重視する金大中、盧武鉉(ノ・ムヒョン)両政権が続いたから死刑執行がなかった。来年2月に発足する新政権では、再び死刑が執行される可能性はある」と指摘した。

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