中央社会保険医療協議会(中医協)は10日、夜間外来の人工透析に対する診療報酬の加算を4割引き下げた2006年度改定の影響で、夜間の外来透析を行っていた医療機関のうち約13%が夜間対応を廃止か縮小したとの調査結果を公表した。
専門医や夜間透析利用の全体数に変化はないものの、地域によっては腎臓病患者が不利益を被りかねない。厚生労働省は「全体的な分析ではあまりマイナス面はないが、個別の問題発生には注意したい」としている。
調査は今年7-8月、透析を実施している病院・診療所から抽出した2000カ所を対象に実施し、58%の1168カ所から回答を得た。夜間の外来透析を実施していた医療機関670カ所のうち、「最近廃止した」が50カ所、「最近縮小した」が36カ所あった。
廃止・縮小した86カ所に理由を聞くと、「患者がいない」が36%と最も多く、次いで「採算が取れない」が24%。中医協改定結果検証部会の委員からは「採算を理由とした点は見逃すべきでない」との意見が出た。