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雑誌+プラモ=大人に人気 驚くほどの精密さ 販路広がり価格維持 (1/2ページ)
さまざまなクラフトキットが雑誌の付録として販売されるケースが増えている。プラモデル雑誌、月刊「モデルグラフィックス」(大日本絵画)とプラモデルメーカー「ファインモールド」は共同で、限定生産の本格的なプラモデルを付けた「マガジンキット」を発売した。少子化、子供たちのモノ作り離れなどでプラモデル市場は縮小しているといわれるが、子供たちばかりでなく、大人にも人気を呼んでいるという。(栫井千春)
≪限定生産≫
限定生産キットは「至高のゼロ」として、9月下旬に発売されたモデルグラフィックス誌11月号(1580円)に、旧日本海軍の72分の1「零式艦上戦闘機(零戦)二一型」の胴体とエンジン、操縦席の部品がセットされたパッケージが付録として付く。今月下旬発売の12月号につく主翼と尾翼の部品と合わせて飛行機が完成する。
誌面では2号にわたって「至高のゼロ【接触篇】」「同【発動篇】」と題して特集記事を組み、組み立てや塗装について、実機写真や図版を使って詳しく説明する。書店のほか、模型店でも販売されている。
キットは、考証の徹底と精密さでプラモデルファンの間で定評のあるファインモールドがこの企画のために作った限定生産モデルで、同誌の編集プロダクション、アートボックス代表取締役の市村弘さんは「付録ではありますが、単なる付録とは考えていません。質の高いプラモデルを多くの人に売るためにどのようなやり方があるか考えたら、雑誌にプラモデルを乗せて全国に売る、という形になった」と話す。
≪120超える部品≫
東京・秋葉原の模型店、イエローサブマリン秋葉原スケールショップでは、入荷したマガジンキットはすでに売り切れたという。プラモデルというと、子供向けのおもちゃというイメージがあるが、福士恵右店長は「当店は30代から50代の男性が中心です。お客さんは限定品に弱い。話題性もあるので、人気を呼んでいます」と話す。
パッケージを開けると部品の多さが目を引く。従来の72分の1クラスの飛行機では30〜40点ぐらいが一般的だが、キットは部品が120点を超える。精密さに加えて機体はグレー、エンジンとプロペラは銀色、エンジンカバーと脚は黒、操縦席は薄緑色と、本物の飛行機に合わせて部分ごとにプラスチックの色を変えた「多色成型」で、色を塗らなくてもより実物に近い感じが得られるようになっている。大人になった「プラモデル少年」たちが目を輝かせて組み立てていく様子が容易に想像される。