金融機関の融資400億円 大半が焦げ付き 岡山の会社2007年10月08日06時00分 メガバンク2行を含む金融機関が、岡山市の紙製品卸会社「伊豫(いよ)商事」(破産手続き中)やその関連会社に対し、少なくとも計四百数十億円を融資し、大半が回収不能になっていることがわかった。岡山地検はこれまで同社の役員らを詐欺や有印公文書偽造・同行使の疑いで逮捕。役員らは全国農業協同組合連合会(JA全農)の債務保証書を偽造するなどし、融資担当者を信用させた疑いがある。巨額融資の使途が不明で、地検は融資の経緯や資金の流れについて解明を進めている。
岡山地検は9月12日、伊豫商事などの納税証明書を偽造して金融機関に提示したとして、伊豫商事専務の大島敏昭容疑者(59)と、関連会社の飲料水販売会社「大喜」(岡山市)社長西田嘉幸容疑者(48)らを逮捕。 さらに今月2日、偽造した債務保証書などを金融機関に示して35億円を詐取したなどとして、大島容疑者らを再逮捕するなどした。伊豫商事の社長(63)は処分保留で釈放された。 関係者や内部資料によると、これまでに判明した融資額は今年3月末時点で、みずほ銀行(東京)が約200億円▽三井住友銀行(同)約100億円▽広島銀行(広島市)約60億円▽中国銀行(岡山市)約11億円――など、6行が逮捕容疑の35億円を含む計400億円余。大半は短期の運転資金とみられる。 兵庫、広島、岡山各県内の計16農協支所なども計約13億円を貸し付けている。 伊豫商事は資本金1600万円で、従業員約40人。9月26日、岡山地裁に破産を申し立てた。 同社は55年に前身の会社が設立され、岡山、兵庫、鳥取の県経済連(現在は全農と合併)との間で殺虫剤の販売を中心とした取引を始めた。75年以降は全農にティッシュや介護用品、ミネラルウオーターなどを販売するようになった。 伊豫商事は92年、本店の所在地を兵庫県内から全農の岡山県本部がある岡山県農業会館(岡山市)に移転。全農との密接な関係を背景に金融機関に多額の融資を申し込むようになったとみられる。 伊豫商事側は融資を申し込む際、「全農が債務保証する」という当時の代表理事理事長名義の保証書や、全農の役員らが債務保証を認めたとする議事録を偽造していた疑いがある。 関係者によると、金融機関の融資担当者を全農本所の部署がある東京都千代田区のビルに呼び出し、貸会議室で融資話をまとめたこともあったという。 民間信用調査会社によると、伊豫商事は00年ごろから売り上げが急増し、05年3月期は470億円、07年同期は約820億円。売り上げの急増に伴って融資が膨らんできたとみられる。 しかし、関係者によると、実際の年間売上高は7億円弱にすぎず、決算書などを粉飾していた疑いが強い。 融資は、宮城県内のゴルフ場(約30億円)やホテル(約3億円)の購入、映画製作などにも充てられたとみられるが、大半の使途は不明だ。 みずほ銀行と広島銀行は「個別の取引については答えられない」、三井住友銀行は「捜査中でありコメントは差し控えたい」としている。融資銀行の関係者は「全農の保証が融資の大きな『担保』になった」と話す。 JA全農の広報部は「捜査に協力しており、詳細については差し控えたい」と話している。 PR情報この記事の関連情報社会
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