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小沢一郎氏の安保政策は日米同盟を無視するのか――民主党の「基本原則」をみる ニュース記事に関連したブログ

2007/10/09 13:32

 

民主党代表の小沢一郎氏が唱えるテロ特措法への反対がなお国政を揺さぶっているようです。
小沢氏はインド洋での国際安保活動に加わる自衛隊の艦艇の撤退を求めているわけです。その理由はこの国際安保活動が「国連の承認を得ていないから」だというのです。
その一方で小沢氏は米欧諸国がアフガニスタン領内で展開する国際治安維持活動には自衛隊が加わるべきだという趣旨の論文をも発表したそうです。その理由は「国連の承認を得ているから」だとのことです。
しかしアフガニスタン領内での活動は戦闘を伴う危険な任務です。自衛隊はいかなる場合でも海外での戦闘には従事できないはずだったのではないでしょうか。

小沢氏は一体、どんな理論でこういう矛盾したような主張をするのでしょうか。
その秘密を解くカギの一つに気づきました。
小沢氏が3年ほど前に、「日本の安全保障、国際協力の基本原則」という政策文書を発表しているのです。民主党内でも左派とされる横路孝弘氏らとともに、その文書にサインしています。

この文書の内容をここでもう一度、点検してみたいと思います。
要するに国連至上主義なのです。

「基本原則」は日本の安全保障についての基本政策を記したはずなのに、そこにあるのは国連への依存のみ、日米安保条約や、その条約に基づく日米同盟という言葉は一回も出てきません。
「日本の安全保障の基本原則」で日米同盟はまったく無視されているのです。
 
まずその文書の全文を紹介します。
その内容をじっくりと点検しながら、順番に分析をしていきましょう。
とにかく驚くべき、そして恐るべき内容だということを最初に申し上げたいと思います。


                                   平成16年3月19日

   日本の安全保障、国際協力の基本原則

 

 冷戦の時代は終焉したとはいえ、世界各地においては紛争が頻発している。世界の安全保障と国際協力について確固たる基本原則を改めて定め、確認しておくことは時代の要請でもあり、また喫緊の課題でもある。

 私共は、我が国の安全保障及び国際協力について、この間慎重かつ精力的に検討を続けてきたが、ここに次の通りの基本原則で一致したので公表する。

                  

現状認識

1、いまのままでは自衛隊は米国について世界の果てまでも行ってしまう危険性が高い。

政府自民党による無原則な自衛隊の派遣に歯止めをか
 けなければいけない。

2、世界秩序を維持できる機能を有する機関は国連しかない。日本も国連のこの警察的機能に積極的に貢献する。

3、憲法の範囲内で国際貢献するために、専守防衛の自衛隊とは別の国際貢献部隊を作る。

4、現在国連はその機能を充分はたしていない。日本は国連の組織、機能を拡充、強化するようあらゆる機会に国際社会に働きかける 

 

基本原則

1、              自衛隊は憲法9条に基づき専守防衛に徹し、国権の発動による武力行使はしないことを日本の永遠の国是とする。一方においては、日本国憲法の理念に基づき国際紛争の予防をはじめ、紛争の解決、平和の回復・創造等国際協力に全力を挙げて取り組んでゆく。

2、              国際社会の平和と安全の維持は国連を中心に行う。

     それを実現するために、日本は国連のあらゆる活動に積極的に参加する。

 

3、              国連の平和活動への参加を円滑に実施するために、専守防衛の自衛隊とは別に、国際協力を専らとする常設の組織として「国連待機部隊(仮称)」を創設する。待機部隊の要員は自衛隊・警察・消防・医療機関等から確保する。又、特に必要がある時は自衛隊からの出向を求める。

4、              将来、国連が自ら指揮する「国連軍」を創設する時は、我が国は率先してその一部として国連待機部隊を提供し、紛争の解決や平和の回復のため全面的に協力する。

5、  国連軍が創設される迄の間は、国連の安全保障理事会もしくは総会において決議が行われた場合には、国際社会の紛争の解決や平和と安全を維持、回復するために、国連憲章7章のもとで強制措置を伴う国連主導の多国籍軍に待機部隊をもって参加する。 

    ただし、参加の有無、形態、規模等については、国内及び国際の情勢を勘案して我が国が主体的に判断する。

6,                     安保理常任理事国の拒否権行使等により安保理が機能しない場合は、国連総会において決議を実現するために、日本が率先して国際社会の意思統一に努力する。

 

署名   横路 孝弘  小沢 一郎

     生方 幸夫  山岡 賢次

 

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コメント(17)

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2007/10/09 13:49

Commented by iseheijiro さん

小沢一郎氏の「自爆行為」だ。参議員多数党の首領がねえ。計算の出来ない男のようだ。国民よ、小沢を切れ! 伊勢

 
 

2007/10/09 14:11

Commented by identification さん

国連決議すら出せないような戦争には参加しないということですね。たとえば、イラン戦争などは。ISAF参加はアメリカも歓迎するでしょう。問題ありません。じかし、自爆したのは自民党でしょ?小沢に反論する際に「憲法違反」とか、石破や高村が言ったそうで。解釈改憲の道は永遠に閉ざされましたね。憲法改正以外に方法がなくなりました。

 
 

2007/10/09 14:18

Commented by staro さん

>3、憲法の範囲内で国際貢献するために

ここだけ見ると小沢は改憲論を捨てたようにしか思えない
わざわざ改憲してまでやることではないことと、近未来の憂いに備える為に
改憲することは別だろう
改憲を事実上捨てることと引き換えに横路や朝日新聞と手を組んだか?
今日は小沢の不動産賃貸収入の話でもちきりだが、我が国の国会議員が
政治資金を不動産投資して賃貸料をとってるとは、なんとも情けない限りだ
違法かどうか以前の話だ
小沢と言う奴が田中角栄の弟子だったというのは本当に頷ける

 
 

2007/10/09 14:21

Commented by staro さん

やれやれ、最初はキ印の社民系の荒らしかと思っていたが
小沢拝金教信者だったか(藁
あほめ、どっちも憲法違反だ
最初からわかっていたことだ
屁理屈でも通ってしまった当時の状況があって
捏造共産党機関紙の朝日新聞でさえ世論には対抗できなかったのだ
頭の悪いのは必ず民主党系の赤い奴らだ

 
 

2007/10/09 15:18

Commented by s-tatsu さん

前からよく解らなかったんです。なぜ小沢は社会党の残党と政策協定が結ぶことができたのかと。今日のエントリーをみる限り、「国連」と いうのが結びつきのキーワードだと。で、その核心は日米同盟を頭越しにして、日米希薄化で一致したのだと。
ただ、社会党の残党は海外の武力行使を容認しているのでしょうか?彼らの目指す先が何なのかが私にはまだよくわかりません。

 
 

2007/10/09 15:24

Commented by dia-mond さん

 まず、何を持って憲法違反と言うかを整理する必要があります。

 日本政府の憲法解釈によれば、日本は集団的自衛権の行使を禁じられています。
 今、インド洋に派遣されている海上自衛隊は、米国の軍事作戦に参加していますので、軍事国際法上は、若干言葉は異なるが、意味の上では、明確な集団的自衛権の行使です。
 しかし、内閣法制局は、それを集団的自衛権の行使ではないと言っています。
 自ら考えることもなく、政府の官僚が言うと鵜呑みにする国民、自民党は、官僚にとってありがたいものです。

 小沢さんの憲法解釈は、日本国憲法九条によるところの国権の発動たる自衛権の行使は、国連憲章第51条を念頭において、急迫不正の侵害を受けたときのみ許される。それ以外の、自衛権の行使は禁じられているというものです。
 そして、国連の軍事行動については、日本国憲法前文の精神に従って、参加は可能だというものです。
 もちろん賛否はあるでしょう。

 日米同盟においては、日米安保条約において、日米同盟はそれぞれの憲法の枠の中で、できることをやればよいことになっています。

 つまり、憲法違反をしてまで、同盟を貫く必要はありません。
 民主主義国であれば、当然のことですね。
 そしてこの守るべき憲法が、米国からの賜りものだとすれば、大きく胸張って主張できます。

 自虐外交も結構ですが、日本は米国に対して、広大な基地を提供しているのだと考えれば、何も卑屈になる必要はない。
 できることはできる。できないことはできない。当たり前のことです。

 
 

2007/10/09 15:35

Commented by staro さん

ん~だから、そんなことがはっきり言えるんなら言ってるし、やってるのね
面と向かって言っちゃうと拙い奴なんだから、相手は
すぐに貿易関税や障壁作ったり、為替介入して円高にするんだから
そもそもが相手は大国で我々は小国なのね
海外の儲けの6割はあの国に依存しているんだから、相手が如何に理不尽
でも表面上はヘコヘコするのが商人と言うものだ
表面上商人に徹しない限り、報復するのよ、あの国は
だから安倍も潰されたでしょ?
でも我々にも魂はあるし、利害があるのさ
だからうまく断ればいいし、取引すればいいのね
あの国は我々の民意を逆なでするのは危ないと思う「賢さ」は持っている
から、ぎりぎりまで知らん振りして最後に条件出して取引すればいいのね
その時は2/3で可決して、国民は絶対に自民党を支持するという環境を作っ
ておくこと
最初から延長ありきになると、保守層は反発するし、朝日新聞は保守層の
動きや自民党の動きを確認してからまた反日キャンペーンするでしょ?
慰安婦問題にしても、拉致問題にしても取引すればいいのね
乗ってこなけりゃ、んじゃあ、世論の支持は得られませんので
悪しからずって断ればいい
世論が敵に回ることはないのよ、この問題は

 
 

2007/10/09 15:35

Commented by kinny さん

小沢さんという浅薄の人は、かって斉藤次官の冗談にのっかってクーデター計画をやったとき、世論の追及によって、自身、何らの理念をも持ちえず、役人の口車に乗っていたずらに混乱を招いたのみであったことをさらけだした。
さて時の流れは、平気でバカを再生産し、またも小沢さんに振り回される下地を作りあげた。といっても、われわれにだって学習能力はあるだろう。

今後は、だまされる方が、どうかしている、というべきだ。元々何でもない人なのだ。

 
 

2007/10/09 15:41

Commented by dia-mond さん

To staroさん
>>3、憲法の範囲内で国際貢献するために
>
>ここだけ見ると小沢は改憲論を捨てたようにしか思えな
 ここの部分は、小沢さんは現実主義者です。(笑)つまり憲法改正は、まだまだ先の話だと国民世論を読んでいます。

>今日は小沢の不動産賃貸収入の話でもちきりだが、我が国の国会議員が
>政治資金を不動産投資して賃貸料をとってるとは、なんとも情けない限りだ
 その見方を否定するわけではありませんが、息のかかった人、団体とは言え、ただで貸すわけにはいかないというのが小沢さんの考え方のようです。
>違法かどうか以前の話だ
 小沢さんの不動産は、特定の人や団体に賃貸されています。小沢さんは、投資とは考えていないようです。
>小沢と言う奴が田中角栄の弟子だったというのは本当に頷ける
 これは、正確な事実認識ですね。(笑)

 
 

2007/10/09 15:44

Commented by dia-mond さん

To staroさん
>ん~だから、そんなことがはっきり言えるんなら言ってるし、やってるのね
>面と向かって言っちゃうと拙い奴なんだから、相手は
>すぐに貿易関税や障壁作ったり、為替介入して円高にするんだから
>そもそもが相手は大国で我々は小国なのね
>海外の儲けの6割はあの国に依存しているんだから、相手が如何に理不尽
>でも表面上はヘコヘコするのが商人と言うものだ
>表面上商人に徹しない限り、報復するのよ、あの国は
>だから安倍も潰されたでしょ?
>でも我々にも魂はあるし、利害があるのさ
>だからうまく断ればいいし、取引すればいいのね
>あの国は我々の民意を逆なでするのは危ないと思う「賢さ」は持っている
>から、ぎりぎりまで知らん振りして最後に条件出して取引すればいいのね
>その時は2/3で可決して、国民は絶対に自民党を支持するという環境を作っ
>ておくこと
>最初から延長ありきになると、保守層は反発するし、朝日新聞は保守層の
>動きや自民党の動きを確認してからまた反日キャンペーンするでしょ?
>慰安婦問題にしても、拉致問題にしても取引すればいいのね
>乗ってこなけりゃ、んじゃあ、世論の支持は得られませんので
>悪しからずって断ればいい
>世論が敵に回ることはないのよ、この問題は

 この掲示板の人々は、個性的ですね。(笑)

 
 

2007/10/09 15:48

Commented by dia-mond さん

To s-tatsuさん
>ただ、社会党の残党は海外の武力行使を容認しているのでしょうか?彼らの目指す先が何なのかが私にはまだよくわかりません。

 小沢さんと社会党が合意したとは言え、海外での武力行使は合意されていません。これから民主党内において、一悶着あるでしょう。

 
 

2007/10/09 15:52

Commented by behemoth さん

古森さん

今回の小沢論文は(読んでないですが)国連の承認の元では日本軍の海外での武力行使すらあり得る(治安維持活動以外での武力行使にも参加できると言っているのだろうか)と言っちゃったわけで、民主党内の左派もまた、いくら国連中心主義で合意していても、これを容認するとはとても思えない(「国連中心主義で合意したんだから、いまさら文句言うなよ」というのが豪腕流なのか)。にもかかわらず、そこに踏み込んだことが今の議論のひとつのポイントでしょう。

小沢氏を民主党左派的、あるいは朝日的「隠れ平和主義者」と呼びにくくなった今、海外での日本軍の活動において(←ここ重要)「日米同盟」か「国連」か、という議論に持ち込もうというのが彼の目論見でしょう(逆に今まで味方してくれた左派からも攻撃を受けることになるだろうけど、それでいいと思ったのでしょう)。

私はこういう論争が巻き起こること自体は楽しいですね。右も左も主張に論理的一貫性のないものは揺さぶられるでしょう。さすが壊し屋、小沢。

 
 

2007/10/09 16:45

Commented by take8 さん

小沢氏にとっては国連決議は日本国憲法より重いらしい
決議さえあれば憲法9条は関係ないと言ってるようだ
反対に国連決議のない周辺事態法は機能できない
日本への直接的脅威はないのだから
他の野党は武力行使に反対してる
民主党の意見ではなく小沢氏個人の主張だと言うのだろうか?

テロ特は憲法上問題ないはず
第一、以前賛成していた
事前承認、事後承認で揉めて反対には回ったが憲法違反という話はなかった
既に決着済みの問題を蒸し返しているとしか思えない
イラク戦争への石油の利用はなかったらしい
米国も調べたらしい(確認せねばならないだろうが・・・)
テロ特が再び提出されたら
又、事前か事後かで反対するのだろうか?
それとも海上封鎖の効果が判らないとして反対するのだろうか?
アフガン派兵と違い、憲法に抵触しなければ危険も少ない給油活動
国連、国際社会の評価も高い
現在の武器使用基準でアフガン派兵をしようと考えているなら、自衛隊員に死にに行けと言っているようなもの
イラクのように他国の兵に守ってもらって活動するのかw
それとも国連決議があったら国際基準の武器使用にするのだろうか?

それとも国会議論を混乱させ長引かせようという魂胆かw

 
 

2007/10/09 16:56

Commented by staro さん

>小沢さんの考え方のようです。
屁理屈ですな、そんなもんは通りません
>小沢さんは、投資とは考えていないようです。
投資ですな
なぜなら不動産を取得したからですな
そもそも買う事がおかしいのに更に貸すことがおかしい
疑われるから貸さないと言えば済むこと

 
 

2007/10/09 17:24

Commented by dia-mond さん

To take8さん

>決議さえあれば憲法9条は関係ないと言ってるようだ
ほぼそのとおりですね。

>反対に国連決議のない周辺事態法は機能できない
>日本への直接的脅威はないのだから
 書き忘れたが、放っておけば日本が侵害を受けると判断するならば、政府の責任において自衛権発動は可能だと言っています。
 基本的に、小沢さんは、国際的に通用しない、官僚の憲法解釈を前提とした日本独自の議論は気にしていません。

>他の野党は武力行使に反対してる
>民主党の意見ではなく小沢氏個人の主張だと言うのだろうか?
 今のところはそうです。何の心配も要らない。

>テロ特は憲法上問題ないはず
 小沢さんは、集団的自衛権の行使だと認識しています。

>第一、以前賛成していた
 その当時は、小沢さんは自由党で反対していました。
 
>事前承認、事後承認で揉めて反対には回ったが憲法違反という話はなかった
 それは、旧民主党です。

>イラク戦争への石油の利用はなかったらしい
>米国も調べたらしい(確認せねばならないだろうが・・・)
 大本営発表は、「らしい。」ですね。(笑)

>現在の武器使用基準でアフガン派兵をしようと考えているなら、自衛隊員に死にに行けと言っているようなもの
>イラクのように他国の兵に守ってもらって活動するのかw
>それとも国連決議があったら国際基準の武器使用にするのだろうか?
 小沢さんは自衛隊を海外派兵するときは、普通の軍隊として派遣します。もちろん自衛官は死ぬかもしれません。でも撤退しません。

 
 

2007/10/09 17:25

Commented by weirdo31 さん

例によって小沢はアメリカ向けにはこんな事を言っています。

9月27日民主党本部を訪れたウォルター・モンデール元駐日大使にたいし

「日本はアメリカとって頼りになる同盟国にならなければならない。」

http://www.dpj.or.jp/news/dpjnews.cgi?indication=dp&num=11884

 
 

2007/10/09 17:32

Commented by dia-mond さん

To weirdo31さん
>例によって小沢はアメリカ向けにはこんな事を言っています。
>
>9月27日民主党本部を訪れたウォルター・モンデール元駐日大使にたいし
>
>「日本はアメリカとって頼りになる同盟国にならなければならない。」
 この発言の意味は、国連決議さえ担保してくれるならば、一緒に血を流すということです。

 
 
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