田辺市新庄町の紀南病院(山本忠生院長)はこのほど、心臓センター(循環器内科と心臓血管外科)の救急患者を迅速に診断・治療するため、消防署の救急隊や開業医からの電話を当番の担当医師が直接受ける体制にした。同病院は「これまでは、救急室で看護師らが電話を受け、担当医師を探すなどしていたが、医師が直接電話を受けることで、患者の状態を早く把握し、対応を迅速化できる」と話している。 同病院ではこれまで、開業医からは救急室に、救急隊からは救急室か救急部長につながる専用電話を設けていたが、看護師が電話を受けて医師に取り次ぐ間、救急隊を待たせる形になっていた。開業医からも医師に直接電話に出てもらえるように要望があったという。このため、循環器内科と心臓血管外科が連携して設けている「心臓センター」で、医師が直接受ける体制にした。 新たな体制では、循環器内科か心臓血管外科で、診察や手術が入っていない当番の医師が携帯電話を持ち、救急隊や開業医からの電話を受ける。時間は平日の午前8時半〜午後5時15分。それ以外の時間や休日、祭日、両科が関係する疾患以外はこれまで通り救急室で受け付ける。 心臓センター長の島崎靖久副院長は「両科で扱う病気は、心筋梗塞(こうそく)や動脈破裂など緊急を要するものが多い。早く病気が分かり、治療に進むことが何よりも大切。今回の体制変更で、地域に役立つことができれば」と話している。脳外科で週1回 外来診療を再開 同病院の脳神経外科は今年7月から、医師がいなくなったため休診していたが、10月3日から、元南和歌山医療センターの脳神経外科医師、中北和夫さん(54)が週1回(毎週水曜)外来診療を行っている。