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【社会】

DM料金1億円免れる 愛知県警、発送代行業者を逮捕

2007年10月6日 朝刊

 ダイレクトメール(DM)の発送数を郵便局に過少申告し、郵便料金一億円余の支払いを不正に免れたとして、愛知県警捜査二課と中村署などは五日、郵便法違反の疑いで、DMの発送を代行する広告会社社長小宮政昭容疑者(42)=名古屋市中川区幡野町=を逮捕した。「ほかの業者より割安で発送し、会社の利益も増やしたかった」と容疑を認めている。同課などは、少なくとも数億から十億円の余罪があるとみている。

 調べでは、小宮容疑者は二〇〇五年十二月、名古屋市瑞穂区の瑞穂郵便局で、二十四回にわたり計約七百五十万通のDMを発送したが、発送数を算出する計数機を自分で不正に操作して同局に計約百六十万通と過少申告し、正規の郵便料金約二億千百万円のうち約八千八百万円しか納めず、差額約一億二千三百万円を支払わなかった疑い。

 計数機は、大量に発送するDM全体から少量のサンプルを抽出して一通当たりの重さを量った後、総重量を計測して発送数を算出する仕組み。本来は、郵便局員が操作し、算出した数と差出人の申告数を照合するが、小宮容疑者が同局の仕事を手伝ううち、一人で操作しても黙認されるようになったという。

 小宮容疑者は、同局に計数機が導入された〇二年ごろから不正を始めたとみられ「(管理が)厳しくなった」という〇六年六月まで続いた。一通当たりの重さを実際より重く装って発送数を少なく算出したり、全体のうち一部しか計数機で量らなかったりする手口を繰り返し、〇六年の半年間だけで、数億から十億円の郵便料金を不正に免れたという。

 郵便事業会社東海支社は「業者が計数機を操作するのは通常考えられない。小宮容疑者が操作するようになった経緯は分からない」と話している。

 

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