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沖縄戦集団自決問題 国会で政治問題化
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国会は4日、参院本会議で福田康夫首相の所信表明演説に対する代表質問が始まった。衆院を含め質問に立った自民党を除く各党は、沖縄戦で旧日本軍が住民に「集団自決」を強制したとする記述が削除された高校日本史教科書検定の問題を取り上げ、事実上の記述復活を要求した。政治の不介入が原則の教科書検定問題が、国会の場で政治問題化する異例の事態となった。
公明党の太田昭宏代表らは9月29日の沖縄県民大会に11万人が集まったとして重大性を指摘。この主催者発表の人数の信憑(しんぴよう)性を指摘する声もあるが、首相は「多くの方々が参加された思いを重く受け止める」と述べるにとどめ、政治介入は避けるべきだとの認識を示した。
太田氏も「政治が介入してはいけない」と指摘する一方で、改めて公的な調査研究機関の設置を提案。「問題を起こした責任は政府にある」と主張した共産党の志位和夫委員長は、質問後の会見で政治介入の懸念について「政治介入をしたのは政府だ」と反論し、教科書検定の政治問題化は来週以降の予算委員会でもテーマとなりそうだ。
また、教科書検定基準にアジア諸国への外交的な配慮を規定した「近隣諸国条項」と同様の「沖縄条項」設置を求めた社民党の照屋寛徳衆院議員に対し、渡海紀三朗文部科学相は、「大空襲や原爆の犠牲者も多く出ており、特定の地域のみに条項をつくることには課題がある」と述べ、否定的な見解を示した。