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【コラム】「終戦宣言の“3者”とは一体誰なのか」(下)

 だが、果たして本当にそうなのだろうか。韓国戦争を「抗米援朝戦争」と呼び続け、死者20万人以上を出したことの正当性を人民に説明してきた中国が、本当に「抗米援朝戦争」の終戦を宣言する当事者から外れることに耐えられるのだろうか。盧大統領と金総書記による南北首脳会談のニュースがインターネット上に掲載されると、中国のネットユーザーは「“3者または4者”という言葉の“3者”とは誰なのか。南北に米国を加え“3者”と言っているのか」といきり立っている。

 中国の言う「抗米援朝戦争」終戦宣言から「中国を外すべき」と金総書記が発言したのなら、最近中国と北朝鮮の間で何か確執でもあったのだろうか。いや、そうではない。92年の韓中国交正常化を境に関係が冷え込んだ中国と北朝鮮だが、金総書記は2000年5月以降3回も訪中しており、中国も01年に江沢民前国家主席、05年には胡錦涛国家主席が平壌を訪れ、伝統的な友好関係を固めている。

 だから敢えてこう言おう。北京で見ている限り、終戦宣言で中国を外し、南北と米国の3者で行うのは不可能と思える。むしろ、3者による終戦宣言を行うのなら、休戦協定の当事者である北朝鮮と米国・中国の3者が終戦宣言を行い、韓国はこれを了承する形で結末を付ける可能性のほうが自然な気がする。そうならば、盧大統領は金総書記と南北共同宣言の文言に署名する際、大韓民国のアイデンティティーを自ら否定する言葉を目にしながら、これを受け流したのだろうか。そうでないのなら、南北共同宣言第4項は「直接かかわりのある4者の首脳による終戦宣言」と表現すべきだったとの思いは到底ぬぐい切れない。

北京=朴勝俊(パク・スンジュン)支局長

朝鮮日報/朝鮮日報JNS
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