全国の沖縄県人会が交流と情報交換を行なう第9回全国沖縄県人会交流会が7日、大阪市の大正区コミュニティーセンターで開かれ、高校歴史教科書の「集団自決」検定問題で、文部科学省の検定意見撤回と日本軍強制の記述の速やかな復活を求める緊急アピールを全会一致で決議した。
全国交流会には15都道府県の代表ら約200人が参加。主催した大阪沖縄県人会連合会の真栄田義弘会長は「われわれ本土の沖縄県人会は、ふるさとについて常に関心を持ち、一喜一憂しながら見守っている」と述べ、決議案を提案した。
同連合会の嘉手川重義事務局長が「検定意見の撤回と記述の回復を求める」とする決議案を読み上げると、満場の拍手で決議。しばらく拍手が鳴りやまなかった。
決議案では「沖縄戦における『集団自決』は日本軍の関与なしに起こり得なかったことは紛れもない事実ですし、多くの体験者が自ら辛(つら)い体験を敢(あ)えて証言している」と指摘。文科相の検定意見については「歴史の事実をねじ曲げ、教科書を通して多くの青少年に誤った知識を植え付ける暴挙」と批判した。
これに先立ち、仲井真弘多知事が講演。教科書検定問題については「検定意見の撤回と記述の回復は11万人の県民大会の総意であり、文部科学省に要請してきた。ただ時間的な制約もあり、記述の回復を優先したい」と話した。
全国沖縄県人会交流会は1996年に第1回が開かれ、東京、大阪、愛知、兵庫、神奈川、京都などの県人会が持ち回りで主催している。次回、2009年の第10回交流会は中部地区の県人会が合同で主催することが決まっている。
(永峰眞名通信員)
(10/8 10:16)