沢尻エリカのキャラの元ネタは……
沢尻エリカがなぜああいう女王様的なぶち切れキャラを演じ続けたか、その理由についてはあまり語られていない。
明白過ぎるから誰も触れないのかもしれないけど、あれは浜崎あゆみへの過剰な憧れから生じたもの。仮にここでは“あゆフィリア”という病気としておこう。
浜崎あゆみ女王様キャラというのはこんな感じ。
インタビューの現場にマネージャーや事務所の人間などのとりまきをぞろぞろ連れて現れる。その大名行列の最後尾には、ケージに入れられた愛犬(マロンやらバニラやらたくさん飼っている内の何匹か)も付いてくる。それらの入場がすべて終わって初めて、がっつりソファーに腰掛けたあゆが、あの舌ったらずの口調で「あゆに何が聞きたいわけ?」とインタビュアーに投げつけるらしい。
かっこいい。あゆのカリスマ性の一端は、明らかにこの美空ひばり譲りの女王様キャラにある。 沢尻が参照しているのはこういう女王様としての浜崎だ。
沢尻エリカのアーティスト志向からそれを垣間見ることができる。
沢尻エリカの別キャラ“ERIKA”名義の活動は、本人の意図が多く入ったセルフプロデュース色の強い企画らしい。 そのERIKAが出ているスバルの自動車のCM。
鳥かごの中に白いドレスと羽のついたERIKAがいる。このベタなビジュアルイメージは失笑するくらいあゆ的(あゆにも元ネタが存在するけど)。CMはプロの監督の手によるものだろうが、CMで使用された『FREE』という曲のイメージのビジュアル化がコンセプトになっている。
で、その『FREE』の作詞者はERIKA本人。プロモビデオはこれ。
あゆを演じきっているのがよくわかる。それと「君がいるだけで 僕は飛べるよ」という歌詞からも“あゆフィリア”ぶりが垣間見られる。
“浜崎あゆみの作詞法のガイドライン まとめミニサイト ”という、浜崎あゆみの作詞作法を研究した2ちゃんねるのスレのまとめから抜粋。
・「俺」「私」とかの部分を「僕たち」「僕達」に置き換えるんだよね。 「あなた」とかの部分を「君」に置き換えるんだよね。
・文法の語尾に「~ね」をつけるんだよね。(例・通り過ぎ→通り過ぎてね) または、話し言葉に置き換えるんだよね。(~だよ・~だよね等)←POINTだよ!
・これだけであら不思議だよ! ありとあらゆる歌詞はあっという間に儚いあゆの歌詞になるんだよね。
なるほど、「君がいるだけで 僕は飛べるよ」というフレーズはなかなかあゆの歌詞を研究して作られている。尚、上記ガイドを参考にこの曲の全歌詞を眺めると、沢尻さんはこのサイトで作詞の勉強をしたとしか思えない。
最後に誤解の無いようにいっておくと、沢尻エリカのあゆ願望から生じたものが、“ERIKA”という別名義のキャラクターであるというのは別に非難すべきことではない。
かつて、中森明菜が山口百恵のイメージを踏襲しながら歌姫へと成長したし、浜崎も安室奈美恵のイメージの一部を継いでいる。中森明菜と安室奈美恵の間には中山美穂がワンポイントリリーフを果している。 山口百恵が美空ひばりの“歌姫”の座を継承し、中森明菜に引き継がれたという“歌姫継承論”は、この本の中で論じられている。
コメント