日本GP釈明会見
Oct 2, 2007 初めての日本GP開催を終えた富士スピードウェイのカンファレンスルームで、冨田務富士スピードウェイ会長と加藤裕明社長による釈明記者会見が行なわれた。説明された内容は、土曜日に予期せぬ渋滞が起きて観客の退場に問題が起きたことと、コースが見えないとクレームが出た特設スタンドについてだった。
冨田会長は、「雨の中、たくさんのお客様に来場いただき、まずはお礼申し上げます」と前置きした上で、「さまざまな問題が起きたことをお詫び申し上げます」と続けた。
●道陥没で2万人が足止め
日本GPは、一般入場者を“チケット&ライド”と呼ばれる方式で入場させた。一般客は、徒歩も含んで個別の入場はできず、全員が指定された駐車場や駅からシャトルバスで入場するが、土曜日の予選終了後のバスが大幅に遅延した。原因は、シャトルバスの駐車場に当てられた場内の連絡路が、乗客を乗せたバスが多数通過したことで陥没。バスが足止めを食って予定通りの運搬ができなくなったためだった。
道路の陥没箇所は、第一コーナー先にあるショートコースへの連絡路の50mほどの区間で、直径1m深さ25cmほどの穴が3か所に空き、バスが通行不能になった。陥没部分は、当初、ジャリを盛って対応したが追いつかず、2万人の観客が足止めを食うことになった。全員が富士スピードウェイを退場したのは22時過ぎ。雨の中で5時間近く待たされた観客おり、確認できているだけで4回の救急車が出動した。
富士スピードェイでは復旧作業を徹夜で行ない、当該部分の通過を規制し、バスの乗降場所を移動するなどの対応策を講じたが、セメントとジャリでの補修工事は降り続く雨のために乾燥がままならず、日曜日には鉄板を敷くなどの処置が追加されたが、決勝レースのバス運行にも波及。レースのスタートに間に合わない観客が出る結果になった。
これに対して、加藤裕明富士スピードウェイ社長は、「場内放送やオーロラビジョンのテロップ10数回にわたってお詫びした。スタートに間に会わなかった80名(後に85名に訂正)のお客様には、後日、入場料はもちろん、交通費や宿泊費も弁済させていただく」と述べた。
●見えない仮説スタンド
また、これとは別に、1コーナー手前C席に10日ほど前に増設された特設スタンドに、「コースが見えない」というクレームが相次いた。これに対して冨田会長は、「楽しみにしてきていただいたお客様に大変申し訳ないことをした。誠心誠意、謙虚に対応したい」と語り、「29日(予選が行なわれた土曜日)に5万円の返金を決定した」と語った。
C席は入場料61,000円。11,000円の入場料を含むが、返却される5万円はこのうちの指定席料金にあたるもの。C席入り口で、返却案内を記したビラを配って対応、後日返却されることになった。
加藤社長は「あらゆる可能性を加味してバス運送のシミュレーションを行なったが、我々の敷地の中に盲点があった。また、コースが見えないとお叱りを受けたC席は、10日ほど前に増設されたもので、増設された14か所の観戦席のひとつ、他の13か所は実際に席に座って確認をしたが、ここだけ確認できてないかった。経験不足を強く反省している。お客様に多大なご迷惑をおかけしたことを真摯に受け止め、14万人という数が正しかったかどうかの議論を含め、来年の開催に向けて全社を上げて鋭意改善したい」と語った。
(MYS/Yamaguchi Masami)
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