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組長の還暦祝い、厚生年金会館で 100人規模 北九州

2007年10月08日16時04分

 北九州市小倉北区にある九州厚生年金会館の宴会場で9月下旬、指定暴力団工藤会系の組長の還暦祝いが組員ら約100人を集めて開かれていたことが分かった。館長は「公的機関である以上、最初の段階で暴力団と分かれば断っていた。利用名目が個人名だったので気づかなかった」と釈明。日本弁護士連合会の民事介入暴力対策委員会は「暴力団の威信拡大を公的機関が助長する結果になった」と批判している。

 同館によると、組長の還暦祝いが開かれたのは9月22日午後7〜9時。約100人の着席形式だったという。

 申し込みは約1週間前。利用名目は「○○社長還暦祝い」と、組長の個人名が書かれていた。

 それから数日後、手続きをしている際に暴力団関係者がいる疑いが浮上し、福岡県警に照会したところ、個人名の人物が組長だったことが分かった。

 同館の利用規約では公益を害する恐れがあると認めた場合、利用を拒むことができるとしているが、判明した時点が会合の2日前だったため、その段階で断れば損害賠償請求などの裁判を起こされる可能性もあると判断。県警には照会しただけで助言などは受けておらず、そのまま準備を進めたという。

 同館は「当日はカラオケが中心で、特に暴力団と思われるような行為はしていなかった」としている。他の利用客からの苦情などはなかったという。

 利用後、組長側から同館に利用料など約130万円が支払われた。

 同館は今後、50人を超えるような祝い事などでは、たとえ個人名での申し込みであってもあらかじめ警察に照会するなど、再発防止策を検討している。館長は「お客様には不快な思いをおかけすることになるが、そうしないと防げない」と説明している。

 同館は84年オープン。宴会場やホテル、1000人以上を収容できるホールなどの施設があり、年間約40万人が利用する。

 建物は年金を財源にして建てられた。経営は、財団法人「厚生年金事業振興団」が厚生労働省から委託され、独立採算制をとっている。

 暴力団が公的機関を利用することについて、日弁連民事介入暴力対策委員会の金子正志委員長は「暴力団とはいえ、家族など数人程度が祝うというのなら、まだ議論する余地もあると思うが、100人規模となれば暴力団の威力、威信の維持拡大と考えられてもおかしくない。今回は公的機関がそれを助長する結果となった」と指摘している。

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