57歳「一夫多妻」男を脅迫容疑で逮捕
東京都東大和市で若い女性ら約10人と生活している自称占い師の渋谷博仁容疑者(57)が、別の女性に集団生活に加わるよう脅していたとして、警視庁捜査1課と東大和署は26日未明、脅迫容疑で逮捕した。渋谷容疑者は容疑を否認した上で「夢の中で、ある呪文(じゅもん)を唱えると女性にもてるようになると知った。自宅で占いを始めると女性が居着くようになり、現在は一夫多妻制のような共同生活をしている」と話している。
調べによると、渋谷容疑者は昨年11月ごろ、20代の女性に集団生活に加わるよう、数時間にわたって執拗(しつよう)に迫り、女性が断ると「この話を誰かにすると、危ないことになる」と脅した疑い。
渋谷容疑者はこの日、3階建ての自宅に報道陣を招き入れ、集団生活するスレンダーなミニスカートの女性2人を連れ添って会見。「全く身に覚えがない」と否定した上で「00年ごろから一夫多妻制のような共同生活をしている」と明かした。
渋谷容疑者は95年ごろから当時の妻子と東大和市内の民家に住み始めたが、99年10月に「働かなくて三行半を突き付けられて」離婚。00年2月ごろから複数の女性と集団生活を始めたという。03年には婚姻届を出しては1〜2カ月後に離婚することを繰り返し、1年間で8人と結婚した。女性の多くは離婚後も渋谷姓を名乗り、同居。03年10月には9人の女性に土地を贈与し、共有するようになったという。
渋谷容疑者は「信じられないかもしれないが(00年ごろから女性に)呪文をかけた。夢の中で何者かに、女性をその気にさせる呪文を教わった。雑誌などに広告を出して、自宅で占いやカウンセリングのようなことをしたら女性が集まった」と話した。呪文は「言うと殺す」と夢の中で言われたため、「怖くて教えられない」としている。
現在は女性10人と1歳2カ月の女の子と暮らしている。渋谷容疑者は、強く望んではいなかったが、女性に次々と求められたために結婚し、重婚はできないから離婚を繰り返したと説明。「狭心症でいつ死ぬか分からない。痛風やパニック障害も患っていて、情けないけど女に食わせてもらっている。女性たちには『いつ出て行ってもいい』と言っている」と話している。10人中9人の女性がコンビニやデパートで働いて、毎月10万円の生活費を出していると明かした。
近所の住民によると、ほとんどが20代とみられる長髪の女性で、左手の薬指には指輪をはめているという。日中にはミニスカートに網タイツ姿の女性ら数人が住居内にいた。午後5時半すぎには自転車に乗った女性2人が無言のまま帰宅した。同居している女性の1人は「このメンバーで暮らして4、5年になる。誰がそんなことを言っているという感じ。仲の良い10人姉妹だと思ってください」と笑顔で話したが、同夜、警視庁捜査1課と東大和署は任意同行を求めて脅迫容疑で取り調べを始め、26日未明、逮捕した。
[2006/1/26/07:24 紙面から]
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