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速やかに検定意見撤回せよ

八重山毎日新聞  (2007-10-03 09:10:04)

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連想キーワード: 座り込み 県民大会実行委員 集団自決体験 口出し 一蹴

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八重山でも3500人が怒りの結集



■県民大会は11万人が参加
 来年度から使用される高校の歴史教科書検定で、文部科学省が沖縄戦の「集団自決(強制集団死)」から日本軍強制の記述を削除したことに抗議する「教科書検定意見撤回を求める県民大会」が、29日午後宜野湾市で開かれたが、主催者側の予想をはるかに超える復帰後最大の11万人(主催者発表)が参加、県民の同問題に対する激しい怒りと強い思いを国をはじめ全国に示した。
 八重山と宮古も同日同時刻にそれぞれ郡民大会を開いたが、宮古2500人、八重山は県民大会と同じく復帰後最大規模の3500人の人々が参集、「歴史のわい曲は許さない。事実を正しく伝えるべきだ」と怒りのこぶしを突き上げた。
 県民大会実行委員会は今月15、16日に代表団が上京し、文部科学省に検定意見の撤回を求めるが、宮古、八重山を含む県民大会に11万人余が参加した沖縄の強い思いは国にも伝わっただろうし、歴史の事実は事実として、速やかに集団自決への「軍強制」の記述を復活すべきだ。

■国の反応に変化も
 宜野湾市の県民大会は人の波が途切れず、約1万人は会場に入りきれなかったという。仲里利信県議会議長を実行委員長に全県議、全市町村長らが参加した大会で仲井真知事や集団自決体験者、高校生らが次々登壇、「軍による強制集団死を自ら進んで死んでいったかのように美化してほしくない」と検定意見の撤回と記述復活を求め、高校生らは「うそを教えないでほしい」と訴えたという。
 一方八重山でも、会場の総合体育館はほぼ満杯に近い状態に埋まった。大浜石垣市長らの主催者側あいさつなどのほかに、5人の戦争体験者や高校生が意見発表を行い、そして内閣総理大臣や衆参両院議長、文部科学大臣あての決議を採択したが、特に八重山は戦争マラリアの問題で、軍の強制疎開による責任が認められなかった事例があるだけに、「今回の教科書問題も同じ。これが国のやり方」と強い抗議の声が上がった。

 同問題では県議会はじめ県内の全市町村議会が意見書を採択。副知事や県議会議長はじめ県市長会からは大浜石垣市長も加わり、町村長会や議長会など6団体代表が要請を行ったが、文部科学省はこれだけの顔ぶれに対し審議官が対応。しかも要請を一蹴したことから代表団は反発。県議会は異例の2度の意見書採択、そして今回の県民大会開催となった。
 15、16日の国に対する要請は大浜市長らも加わって200人規模を予定しているようだが、渡海紀三朗文科相は県民大会を受けたあとの1日、「何ができるか検討したい」と見直しを示唆。仲里実行委員長や仲井真知事も今回は国の対応にずいぶん期待しているようだ。

■座り込みをしてでも
 確かに前任の伊吹文明文科相など安倍内閣の場合は、「自分たちは検定に口出しできない」と冷たいものだったが、福田内閣に代わり町村信孝官房長官も1日、「沖縄の気持ちを受け止め、(記述が修正できるか)検討を文科大臣に指示した」とさらに踏み込んだ考えを示し、国の反応はかなり大きく変化した。
 しかし実際のところ検定意見が撤回され、軍強制の記述が回復するかどうかはまだ不透明だ。戦後処理事業の八重山の戦争マラリア問題がそうだったように、国はいったん決めたことはなかなか修正しない傾向があるからだ。
 同問題では本土メディアもかなり地元沖縄と温度差があり、関心は低かったが、11万人余が結集した県民大会に関しては、各メディアとも無視できず大きく報道している。これも今後国の対応にどう影響を与えるかだろう。

 教科書会社は来年4月からの使用に向けて、12月には印刷に入るようであり、記述回復はそれまでに解決しなければならないというタイムリミットもある。県紙報道だと仲里実行委員長は、「自民党や政府が撤回に応じなければ年金問題に匹敵するような大打撃を受けるだろう」と強い決意を示しているが、確かに文科省の前で座り込みをしてでも、の強い決意で臨むべきだろう。宮古、八重山を含め11万6000人が結集した沖縄の声、思いを国はしっかり受け止めるべきだ。

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