手打ちうどんの材料配合比による影響

    〜食塩の割合について〜

                                 ◆ 時任恵美子 ◆    【I.はじめに】    うどんなどの麺の原形は、中国から伝えられたもので、飛鳥時代から奈良時代と考えら   れている。実に、長い歴史を持つ伝統食品であるが、日本食の確立に伴って、今日のよう   な麺の形状と調理法のパターンが、完成したといわれている。麺の種類は多種あり、また   製法にもいろいろあるが、うどんの「おいしさ」とは、「こしの強さ」が大切だと考える。   そこで、食塩がどのように影響するのかを探る目的で本実験を試みた。そして、官能検査   をつけ汁なしとつけ汁ありの場合で、比較官能を行ったので、以下、その結果を報告する。 【II.実験方法】      <1>試料    強力粉:カメリヤ使用    薄力粉:小麦粉フラワー使用    食塩:日本たばこ産業株式会社使用    水:蒸留水使用   <2>材料配合割合    強力粉100g+薄力粉100g+加水量100ml(粉の50%)とし、2%、4%、   6%、8%、10%、15%の食塩水をそれぞれ用いた。   <3>調理方法    ボウルに小麦粉を入れ、ここに食塩水を加え、まとまるまで混合する(約150回)。   ドウを3時間ねかす。次に、製麺機で麺帯をつくり、切り出しを行う。生麺を多量の沸騰   した湯に投入し茹でる(12分間)。うどんが茹だったら、流水でよくもみ洗いをし、冷   水に浸し、ザルにあげ、水切りし、ザルの上に並べる。   <4>検査方法    色彩、つやがある、見た感じ、なめらかさ、歯ごたえ、香り、味について、それぞれ味   覚官能検査を行う。(パネラーは本学女子学生18名)   【III.結果及び考察】   <1>つけ汁なしの場合    まず、色彩とつやがあるにおいては食塩水6%が、良い評価を得た。評価のよくなかっ   たのは食塩水15%であった。これは、食塩が少ない方が見た目に色が白っぽく、つやが   ある為と考えられる。反対に多くなると、ドウが固くなり表面が少し縮れた感じになる。   見た感じでも食塩水6%が最も良い評価を得たが、食塩水2%が最も低い評価を得た。こ   のような評価を得たのは、食塩が低い為に延びたように見えたのと軟らかい為に調理の時、   手などにくっつき麺が細くなり、うどんらしさに欠けたことが原因と考えられる。次に、   あめらかさについては食塩水15%のみが、やや低い評価となり、他の5者間において大   差は見られなかった。また、歯ごたえにおいては、食塩水6%と10%が良い評価を得て   おり、食塩水4%がよくなかった。食塩が少ないと弾力がなく歯ごたえがない為、このよ   うな評価を得たと考えられる。香りについては粉自体が無臭であり、茹でただけなので6   者間とも、大差は見られなかった。そして、味においては食塩水6%が最も良い評価を得   た。評価のよくなかったものは、食塩水10%であった。これは、食塩濃度が高いと塩気   を強く感じる為と考えられる。   <2>つな汁ありの場合    まず、色彩とつやがあるにおいては、食塩水4%が良い評価を得た。評価のよくなかっ   たものは、食塩水15%で、つけ汁なしの場合と同じだった。見た感じにおいても同様で   ある。しかし、なめらかさにおいしは食塩水4%と6%が良い評価を得て、食塩水15%   がよくない評価を得ている。やはり、食塩が多いと塩気を強く感じる為と考えられる。歯   ごたえにおいては、つけ汁なしの場合と同様の評価を得ている。そして、香りにおいては   食塩水4%と6%が良い評価を得て、食塩水15%がよくなかった。粉自体は無臭なのだ   が、つけ汁の影響があると考えられる。また、味においてもつけ汁の影響があるが、つけ   汁なしと同様に食塩が少ない方が良い評価を得た。 【IV.まとめ】    1.調理操作、扱い等を考慮すると、6%、8%が良いと考えられる。    2.減塩を主に考えた場合、2%、4%が良いと考える。しかし、ドウはやわらかく、     切った時にくっついてしまうため、製麺を作りづらい。    本実験を通して、健康の為には、食塩水2%のうどんが良いと思われる。しかし、調理   する際、食塩水6〜8%が、うどんに大切な「こしの強さ」もあり、適していると考えら   れる。

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