世界選手権GP500にはじめて参戦したのは、阿部が18歳の1994年、第10戦イギリスGPだった。ところがその予選で転倒し手首を骨折したため、決勝レースが走れないという意外な形での世界デビューとなる。 翌1995年にはGP500へフル参戦し、初の3位表彰台を獲得。さらに1996年には、第3戦日本GPで初優勝を飾り、世界のトップライダーの仲間入りを果たした。その後、1999年のリオGP、2000年の日本GPでの優勝を合わせこれまでに3回の優勝を成し遂げている。またランキングでも、常にトップ10入りを果し、まさに日本という枠を超え、世界のトップライダーとしてその名を轟かせた。 2005年から戦いの舞台をスーパーバイク世界選手権に移した阿部は、慣れない市販車ベースのマシンということで思うような結果が残せずランキングは13位。そして2年目の2006年も、ランキングは13位でシーズンを終えた。 2007年は心機一転、全日本選手権への参戦が決定。1994年から2006年まで世界を舞台に活躍してきた阿部が、1993年以来となる全日本の舞台に戻ってくる。チームはY'S GEAR Racing、マシンは2007年モデルの新型YZF-R1。世界で見せてくれたように、全日本でも熱いバトルを展開してくれるはず。ぜひその戦いに注目してほしい。