芸能日記

  

2000.6.30   松たか子     

 いつだったか、ニュースステーションの「最後の晩餐」のコーナーに松たか子が出演するという記事を、日刊スポーツのテレビ欄で見たことがあった。悪口の貴重なネタになることは間違いないのでとても楽しみにしていたのだが、その日はあいにく有珠山噴火だったかバスジャックだったか、何か大きなニュースが入ったため「最後の晩餐」は流れてしまいガッカリ。その後チェックを怠っていたため、とっくに別の日に放送されてしまったのだろうと半分忘れてかけていた。

 ところが、先日たまたまダンナがニュースステーションのスポーツコーナーを見るためにチャンネルを合わせていたら、突然松たか子が登場。ニュースステーションは久米がうっとおしいのでたまにスポーツコーナーを見るぐらいなのに、たまたま見ていた日に松たか子が出るなんて、悪口の神様が私に「松たか子の悪口をHPに書け」と言っているとしか思えない出来事であった。(なわけないっての)

 「オケピ!」の稽古場でインタビューを受けていた松たか子は、私の期待したとおり、気位の高度三千メートル級ぐらいの高ビーな雰囲気につつまれ、久米宏の質問に気取りながら答えはじめた。

久米「本来だったら歌舞伎役者の娘というのは何代目を継ぐわけでもないし、女優さんにならなかった可能性も高いわけですよね」

松「全然なる必要ないんですよー。だから兄なんて、なんでわざわざ同じ仕事するんだって、もっと他にいろいろやればいいじゃんて言うんですが、たまたま好きだったので、あのー、たまたまお芝居が好きで舞台とかやってみたいなと思って〜」

 嘘だ。「小さい頃から父親や兄の華やかな生活を見ていて、芸能界に憧れてて〜」とかって本当のこと言ってくれたら、ちょっとは見直したのに。いや、もっとこき下ろしたか。

松「とにかく、歌舞伎をよく見てたんですけど、その役者さん自身にいろんな事が起こったりとか、それが悲しいことだったりとか、つらいことが起こっても、それで感じた何かを全部その役につぎ込んじゃう、そのパワーで見てる人が感動してたりとか、元気になったりとか、そういう事がすごく魅力的に見えたんですよね」

 偽善者め。単に自分が目立ちたかっただけだろうに。それに、残念ですがあなたには人を感動させるほどの演技力はありましぇ〜ん。

久米「最近17歳の男の子が人を殺したり大事件を起こしたり・・言ってみればあなたとほぼ同世代ですよね。こういう事件に対してどう思います?」

松「うーん、あのう、まあ同世代の男の子とか女の子が犯罪を犯しちゃうだけに限らないんですけどお、こういう例えば犯人と言われている人達が、こう画面に出ているのを見てると、私たちのそういうお芝居とか、そういうものって必要ないのかな〜って、すごい寂しい気持ちになってー、もしかしたらその人は始終お金の事だけを考えてー、何億保険かけたみたいなー、そんな事ばっかり考えてる事が、生活のなんか中心にあってー、そういう所じゃないとこで、こう・・夢を見たりとか、あのー、元気・・明日も頑張ろう、取りあえず明日も頑張ろうって、こう・・思うこととか、あのー、そういう感動みたいな・・感情がちゃんと動くっていう・・お芝居みたいなものって、この人たちには必要ないのかなあって、ていうことは私とかはあまり必要ないんだろうなーなんて思ったりしたときに、すごいやっぱり悲しいなあと思う・・てゆうかー、そういう気持ちになります。それがましてや自分と同い年ぐらいの人になると、もちろんみんなこう別に楽しいことばっかり、あのー経験しようと思っているわけではないしー、現実がちゃんあったうえで、こう、みんな夢を見たりとかそういう・・んー・・気持ちを自分の中にどっかに確認して、毎日現実をやっているはずなのに、なんかこうバランスがすごい悪いのかなっていう・・」(原文のまま)

ダンナ「何言ってんだ?」

 そして、ピアノを弾く松たか子を、ポケットに手を突っ込んでたたずみながら見つめている久米宏。昔からニュースステーションは、このようなクサいテイストがお好みだったが、それもニュースステーションが嫌いになった理由のひとつかもしれない。

 そのまま感動の雰囲気を漂わせながら終わったのかと思っていたら、まだ続いていたらしく、ここからいきなり久米の爆弾発言。なんと久米は、松たか子がヘビースモーカーだという事をバラしてしまったのだ。「松たか子さんがタバコとライターを持って歩いているのを見たときはイスから転げ落ちそうになった」だの、「あなたがタバコを吸うなんて考えたこともなかった。本当に驚いた」などとしらじらしく驚いたフリをしながら、松たか子が嫌がるに決まってることをやっている底意地の悪い久米。これには松たか子も焦りまくり、笑顔を引きつらせながら、「本当に初めて吸ったのはちゃんと二十歳になってからで・・」とか、「習慣になるほどではない・・」とかしどろもどろの弁明。今までのお嬢様ぶりっこが、すっかり台無しになってしまった。

 さらに久米宏は、松たか子の家が粗食であるという話を振ってきた。松たかは、「お嬢様風に見えても、実際は質素なんです」というイメージアップのつもりだったのだろうが、久米は「ケチなの?」と意地悪そうな笑みを浮かべて聞いていた。

 「最後の晩餐」は、「おにぎりとお茶」でいいという松たかの好感度発言にも、「いつもあんまり贅沢なもの食べてないようだから、最後ぐらいパーッやったらといいじゃない」と、つっこむ久米。

 そういえばしょっぱなに、久米が松たかに向かって、「あなたは長嶋監督のような、直感方の俳優さんだと僕は思うんですけど」と言い、松たかはそれを誉め言葉と取ったのか「ありがとうございます」などと言っていたが、考えてみれば久米がそんなにいいやつのハズがない。あれは二世を小馬鹿にした久米が、「演技力がない」という事を皮肉った発言だったのかも。そんなダイコンでも親のコネでテレビに出られる二世たち・・七光りハンタ〜イ!

 それにしても、わざわざビデオを30回ぐらい巻き戻して、松たか子のセリフを一言も漏らさず書き取っている私って・・。

 

 

   
 

 

 

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