高校日本史の教科書検定意見で沖縄戦の集団自決について日本軍の住民への強制があったとする記述が削除された問題で、意見の撤回と記述の復活を求める沖縄県民大会が29日午後、同県宜野湾市の海浜公園で開かれた。大会実行委員会によると約11万人が参加。県議らは10月中旬に文部科学省などを訪れ、採択した大会決議を手渡す。
大会には仲井真弘多知事のほか県内の各市町村の首長、県選出の国会議員、県議、市町村議員らほぼ全員が出席。大会実行委員長の仲里利信県議会議長は「日本軍の命令や強制によって親族同士が殺し合った事実は隠しようがない。史実として正しく伝え、全県民が立ち上がり、断固ノーと言おう」とあいさつした。
仲井真知事は「日本軍の関与は、当時の教育を含む時代背景や手りゅう弾が配られるなどの証言から覆い隠すことのできない事実だ」と指摘。「撤回要求に応じない文部科学省の態度は極めて遺憾だ。県民の代表者として強く抗議する」と文科省の姿勢を批判した。(21:36)