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免許切れたままタクシーで暮らし12年

 営業免許が切れたまま、個人タクシーを営業していたなどとして、大阪府警天満署が個人タクシー運転手の男を逮捕していたことが5日、分かった。男は95年から家出し、12年間タクシーを自宅代わりに生活しており「金がなく許可の更新などができなかった」と供述している。同署では余罪については「裏付けがとれない」として見逃す形になるという。

 調べでは、逮捕されていたのは住所不定、個人タクシー運転手の松居正幸容疑者(61)。9月18日午後2時30分ごろ、個人タクシーを無許可で営業運転し、大阪市城東区の国道で無職女性から料金600円を受け取った道路運送法違反(無許可経営)などの疑い。松居容疑者は5日、大阪地検へ送検された。

 無許可営業がバレたのは偶然だった。タクシー絡みの事故で同署が1台ずつタクシーを捜査していた際、松居容疑者も事情を聴かれていた。松居容疑者自身は事故を起こしていなかったが、無許可営業が判明した。営業免許は03年4月で失効、翌月には車検も切れた。さらに自動車損害賠償責任保険も昨年6月で失効していた。松居容疑者は「その日暮らしの気ままな生活をしていて金がなく、許可の更新ができなかった」と供述している。

 松居容疑者は70年ごろからタクシー運転手として働いていたが「気が向いた時だけ働く」マイペースぶりで会社を転々。91年から個人タクシー営業を始めたが、マイペースぶりは変わらなかった。95年に妻から「働かないなら家を出て行け」と言われ自宅を飛び出し、「妻に仕事をしろと言われるのが嫌」で離婚していた。

 家出後はタクシーが自宅代わりだった。12年間タクシーをねぐらに、コインランドリーで洗濯し、時折銭湯を利用し身だしなみを整えていた。トランクには着替えなど生活道具を積み、生活費がなくなると営業していた。

 営業許可失効から4年が過ぎており、天満署では「運行日誌もなく、メーター記録からもさかのぼれないので裏づけが取れない」として余罪は泣く泣く見逃す形になるという。

[2007年10月6日7時26分 紙面から]

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